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SFセミナー [その他]

今日はSFセミナーに参加しました。

SFセミナーはSFファン有志が運営する講演/パネルディスカッション形式のコンベンションです。
初参加の今回は昼企画のみ参加。

今回の企画は以下。やはりゆうきまさみと横田順や(旧字)さん追悼で参加を決めました。

・竹書房の挑戦
 出演者:水上志郎、中村融、内田昌之
 聞き手:鈴木力

・朝に雨が降るかぎり 〜作家・横田順やを語る〜
 出演者:森下一仁、井上雅彦、日下三蔵
 聞き手:北原尚彦

・ハーラン・エリスンと危険なヴィジョン
 出演者:牧眞司、高橋良平、中村融、堺三保

・ゆうきまさみインタビュー
 出演者:ゆうきまさみ
 司 会:林哲矢

http://www.sfseminar.org/

以下は個人的メモ。

・竹書房の挑戦

最近ルーシャス・シェパード「竜のグリオールに絵を描いた男」などでSF界で話題の竹書房。
その立役者の編集者、水上志郎さんをメインゲストに、企画に協力した翻訳家の中村融さん、内田昌之さんがゲスト。
水上さんがユニークなキャラで話が面白い。ほぼ独力で竹書房にSF路線を立ち上げたのが凄い。
早川書房、創元社が屹立するSF界でうちの会社はゲリラでしかないとも。
「グリオール2」など今後も色々と刊行を予定しているそうです。


・朝に雨が降るかぎり 〜作家・横田順やを語る〜

今年2月に亡くなった作家・横田順やさんの追悼座談会。
作家としての横田順やさんの話が中心なので、大河ドラマ「いだてん」の明治編の天狗倶楽部を中心に協力した(途中で面倒になって手を引いた)といった話はなかったです。
いわゆるハチャハチャSFと明治SF小説のどちらも紹介されていました。
本にまとまっていない短編を発掘してまとめるのが得意の日下三蔵さんをはじめ、みなさんで横田順やさんの作品をまとめた新作を出そうと言われていました。


・ハーラン・エリスンと危険なヴィジョン

最近亡くなったアメリカのお騒がせ作家のハーラン・エリスンとそのアンソロジー「危険なヴィジョン」について関わった人の座談会。
「危険なヴィジョン」が早川から3巻予定の1巻しか出なかったのはエリスン本人の許可が出なかったからとか。
過去作を次々リライトし翻訳も許さなかったそうです。
数々の大ゲンカを繰り広げたエリスンの話も。一番もめたのは脚本を書いた「スター・トレック」のプロデューサー、ロッテンベリーだそうです。
エリスンが亡くなる前から体調が悪く口出ししなくなったので「危険なヴィジョン」3巻は近々刊行予定だそうです。


・ゆうきまさみインタビュー

「パトレーバー」などのゆうきまさみさんのインタビュー。
個人的にはこれが一番楽しみでした。
ゆうきさんもインタビューアーの林さんもそれほど饒舌ではないので割と淡々と。でも内容が面白いです。
まずは子供時代の話から。ゆうきさんのSFはやはりマンガから。
月刊誌「少年」の「鉄腕アトム」「鉄人28号」が好きだったと。
どちらかというと横山光輝ファンだったそうです。
実はゆうきさんと同い年なのでこのあたりはよくわかる。
小説に関してはどちらかというとSFよりもミステリが好きだったとか。
デビューの経緯は有名ですが、就職してOUTでアニメパロディマンガを描いてデビュー。

「パトレーバー」に関しては、元々の創造者はゆうきさんなので、原作者としても良かったと思いますが「ヘッドギア」原作となっているのは、ゆうきさん原作となるとマンガを連載している小学館にも著作権が発生するので、他社のアニメ雑誌には2ページまでとか色々と制約があるからだそうです。
アニメ版の二号機指揮、香貫花・クランシーをマンガ版で熊耳武緒に変更したのは、香貫花を描く自信がなかったからだそうです。
「パトレーバー」は色々と小姑が多いからなあ、というゆうきさんの一言はよく分かる。押井とか押井とか伊藤とか。
「白暮のクロニクル」はミステリをやりたかったからとか。そこで社会的弱者の吸血鬼が探偵役になる所がゆうきさんらしい。
現在連載中の新作「新九郎、奔る!」は応仁の乱の頃の若い北条早雲が主人公ですが、「なぜか北条早雲が好き」だそうです。
全般にゆうきさん質問に関して、覚えてない、なぜか分からないという回答が多く、基本的にあまり考えずアイディアが降ってくるタイプだそうです。
なぜあ~るがアンドロイドになったのか?「覚えてない」。
「白暮のクロニクル」でなぜ吸血鬼が探偵役になったのか。「話ができた時はそうなっていた」。
新作を提案した時に編集に一度も通らなかった事はないそうで、本人は「運だけでここまでやってきた」と言っていましたが、やはり天才ではないかと。

「新九郎、奔る!」は月刊スピリッツでの連載ですが、夏ごろからスピリッツで新連載が始まるそうです。
週刊連載ではないそうですが。

・全体に

楽しかったです。合宿もあって楽しそうですが、費用はともかく体力的に厳しいなあ。
出演者も長年読んでいる本の翻訳者や編集者で楽しかったです。
ロビーにも色々とSF界では有名な方がいた様ですが、私が認識したのは翻訳家・評論家の大森望さんでした。

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