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萩尾望都先生 特別講演 [マンガ]

女子美術大学アート・デザイン表現学科主催のオープンキャンパス「萩尾望都先生 特別講演」に行ってきました。

これもmixiのコミュで紹介していただいたおかげです。
せっかくなのでレポートです。

講師:萩尾望都(女子美術大学客員教授・少女漫画家)
司会:内山博子(女子美術大学メディア表現領域教授)  

会場は女子美術大学杉並キャンパス(東高円寺)。
250名収容の会場は満員の盛況でした。
ほとんど女性かなと思っていたのですが、10~15%くらいは男性もいました。

まずは大英博物館「マンガ展」の話から。
スクリーンに大英博物館の正門前での和装の萩尾さんの写真から。
マンガ展の紹介。まずはマンガのルーツとしての浮世絵から。
実は萩尾さんは浮世絵にも影響を受けていて、特に北斎の構図には衝撃を受けたとか。
「マンガ展」で「ユニコーン」が表紙のフラワーズのタペストリーが展示されている映像はインパクトがありました。
ポーの一族「春の夢」の舞台のイギリス、アングルシー島の話。
司会者からポーの一族でイギリスを舞台にするなど萩尾さんはイギリスが好きな理由はとの質問。
元々イギリス文学が好きで、妖精が登場する作品やナルニア国物語、指輪物語などのファンタジーが好きだからとの事。
最初に「ポーの一族」を書いたころはイギリスには行っていないそうですが、75,6年に初めて旅行し、その後、留学もしたとか。
イギリスをテーマにした近作として「進化論のガラパゴス」を紹介。
この作品はガラパゴス旅行をした事からできたそうです。

大英博物館「マンガ展」のキュレーター、ニコルさんとのツーショットの写真。
彼女の強い思い入れから展示された「柳の木」について全ページがスクリーンに投影されての萩尾さんの解説。
「柳の木」の構想から完成までの期間を聞かれ3年くらいだとか。
「マンガ展」でのイベントが開かれた「ジャパン・ハウス」「日本藝術研究所(ノリッジ)」の写真。
「半身」の話。元々、萩尾さんは双子が好きだそうです。「半身」の全ページがスクリーンに投影され萩尾さんの解説。

芸術新潮の話。表紙は元々「フラワーズ」の予告カットだったそうです。
芸術新潮に載った写真について。
表紙製作中の写真の小さな胸像は顔の描き方の参考にするため。
仕事場の写真の3人の人物像はエドガー、メリーベル、アラン?のポーズの参考にするため。
芸術新潮のクロッキーブックの映像を見ながら、司会者このクロッキーブックを借りて舐めるように見てみたいと。
萩尾さん、大きなクロッキーブックに描くと構想が広がり思いもかけない発想が出てくる。

終わりも近づき以下は会場の人とのQ&A

・「まんがABC」が好きなのですが、単行本に収録されないのでしょうか?
調子があまりよくない頃に書いたのであまり思い出したくないのです。
本にすることもないと思います。

・影響を受けた漫画家は。
色々な人が好きで影響を受けていますが、やはり手塚治虫先生です。
短編でも緻密に計算されていて素晴らしいです。

・作品によって時代背景で全く違う印象を受けるのですが。
描いているとやはり時代背景に自然に影響を受けます。

・原画展の作品の選定はどれくらい関わっているのでしょうか。
基本的には信用できるスタッフにはおまかせしています。

・エドガーのイラストの色彩に大変なインパクトを受けたのですが。
カラーの色の選び方は苦手です。あの頃は若かったので若さの勢いでああいう色になりました。


最後は、司会者がこの写真は見てほしいとの一言で、大英博物館「マンガ展」でのピカチュー(の着ぐるみ)と萩尾先生と和装のツーショット。
場内爆笑でした。

という事でとても楽しい1時間でした。

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コメント 6

coco030705

こんにちは。
萩尾望都さんの特別講演会なるものがあったのですね。さすが、関東です。こちらでは聞いた事がないですね。うらやましいかぎり。
萩尾さんはイギリス文学がお好きなんですね。ナルニア国物語は私も好きな作品です。イギリスにも留学されたとか。私も少しイギリスの語学学校に通っていたので、共通点があるのが、すごく嬉しかったです。
関西でもこういう講演会があればいいのになと思います。
by coco030705 (2019-07-16 09:45) 

きさ

ココさん、コメント&nice!ありがとうございます。
レポートを書くために検索してみたら、女子美術大学のオープンキャンパスで萩尾さん講演毎年やっているんですね。検索しただけでも2015年からやっているので少なくとも5年!
まあ、女子美術大学の客員教授ですしね。
今更ですが、以下に昨年のレポートが載ってます。
https://www.cafebleu.net/mt/mt-search.cgi?search=%E3%81%A9%E3%82%82&IncludeBlogs=4,1,5&limit=

来年もあるのかな。その時はぜひ。
by きさ (2019-07-16 22:41) 

coco030705

萩尾望都さんのサイトのご紹介、ありがとうございます!
観てみたら、2019年12月に、大阪梅田阪急百貨店で「ポーの一族展」をやってたんですよ!いつも行っているデパートなのに、なぜみのがしてしまったのか!後悔のあらし。今度から阪急の催しはいつもWebでチェックします。来年は女子美に行こうかしら。
by coco030705 (2019-07-17 22:01) 

きさ

大阪梅田阪急百貨店で「ポーの一族展」をやるのは、2019年12月4日(水)~16日(月)で今年の12月です。
という事でぜひご覧ください。
同じものを今月松屋銀座でもやるので前売り券を買って楽しみにしています。

by きさ (2019-07-17 22:37) 

Naka

こんばんは。
先月、松屋の「ポーの一族展」に行って来ました。
豪華な展示内容でテンション上がりました。
作品を観ていると、若かりし頃の自分も思い出して胸がキュンとします。
『芸術新潮』の特集も読みましたが、とても興味深かったです。大英博物館のレポートもありました。
やはり萩尾望都先生は偉大ですね♪
by Naka (2019-08-15 23:38) 

きさ

Nakaさん、コメント&nice!ありがとうございます。
ブログには書いてませんが、私も「ポーの一族展」行きました。
素晴らしかったですね。『芸術新潮』も読み応えありました。
まあ、萩尾さんは天才ですね。


by きさ (2019-08-15 23:46) 

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