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イエスタデイ [映画]

「イエスタデイ」見ました。

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自分以外はバンド「ザ・ビートルズ」を知らない状態になった青年の姿を描くコメディー。
『スラムドッグ$ミリオネア』などのダニー・ボイルがメガホンを取り、『ラブ・アクチュアリー』などのリチャード・カーティスが脚本を手掛けた。
青年をヒメーシュ・パテルが演じ、『シンデレラ』などのリリー・ジェームズ、『ゴーストバスターズ』などのケイト・マッキノンのほか、ミュージシャンのエド・シーランが出演する。
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これは楽しい映画でした。全世界が停電になる異変時に交通事故にあった売れないミュージシャンの主人公。
事故の後に、世界のだれもビートルズを知らない事に気づきます。
そして彼はビートルズの曲を自分の曲として歌い始めるのですが、、
SF的な設定からいったいこれからどうなるのかと思わせます。
最初はビートルズの曲を歌っていても無名なので注目されませんが、本人が演じる有名ミュージシャン、エド・シーランが着目し前座に起用されることからまたたくまにスターに。
主人公役のヒメーシュ・パテルが歌っていて彼は歌がうまいですね。
ヒロイン役のリリー・ジェームズはキュートです。
本作の一番のポイントはラスト近く、どう生きるかに迷った主人公はある人物を訪ねます。
ネタバレなのでそれが誰かは書きませんが、ビートルズファンに取っては涙々のシーンです。
クレジットされていないそうですが、演じているのはロバート・カーライルだそうです。
ちなみに主人公の出身地も恋愛関係もエド・シーランがモデルだそうです。

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監督 ダニー・ボイル
脚本 リチャード・カーティス
音楽 ダニエル・ペンバートン
ジャック・マリック: ヒメーシュ・パテル
エリー・アップルトン: リリー・ジェームズ
ロッキー: ジョエル・フライ
デブラ・ハマー: ケイト・マッキノン
エド・シーラン: 本人
マーケティングのトップ: ラモーネ・モリス
ジェームズ・コーデン: 本人
?: ロバート・カーライル
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第5回リベラルアーツ連続シンポジウム 「Sai-Fi:Science and Fiction SFの想像力×科学技術」 [その他]

埼玉大学で開催された以下のシンポジウムに行ってきました。

第5回リベラルアーツ連続シンポジウム 「Sai-Fi:Science and Fiction SFの想像力×科学技術」
http://www.saitama-u.ac.jp/seminar_archives/20190808.pdf
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第一部 12:30~14:10
藤崎慎吾先生(科学ジャーナリスト・SF作家)を迎えて
 講演「理系と文系の間 ~生命の起源を例として」

第二部 14:40~16:20
劉慈欣先生(SF作家)を迎えて
 パネルセッション①「中国におけるSFと技術政策との関連」

第三部 16:40~18:30
上田早夕里先生(SF作家)を迎えて
 パネルセッション②「日中・アジアのSFの想像力」

主催 
埼玉大学教養学部・人文社会科学研究科

共催
JST RISTEX HITE 想像力のアップデート:人工知能のデザインフィクション(代表 大澤博隆)
研究費挑戦的研究(萌芽)「語り・身体・イメージの連関と変容の学際的研究 -エスノメディアロジーの構築」(代表 山崎敬一)

協力 早川書房
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簡単ですがレポートです。

台風で開催時間は最初の予定より少し遅くなりました。
ですが、自宅最寄り駅の東北線が動いていないので、第二部から参加。
電車とバスが遅れ第二部の最初は見逃してしまいました。

第二部は中国SF「三体」の作者、劉慈欣(りゅう・じきん)さんと第一部の藤崎慎吾さん、司会は大澤博隆さん。
劉さんはエネルギッシュで良く話す人。渋い声でした。
以下は簡単にダイジェストを。

・中国ではまだSFは科学を啓蒙するためのものだと考えられているが、私は逆に科学が浸透する事でSFが盛んになると思う。
・中国では科学者が一般の人と交流するのは難しい。正式な論文が国家機関に認められないと科学者として扱われない。
・SFのオープンな想像力はイノベーションの障害を乗り越える力になる。
・情報技術があまりにも発展したために、科学の他の分野も発展した事が見逃されている。
・「三体」では厳しい環境で文明が発達すると書いたが、今はそんなに単純ではないと考えている。
・たとえばガリレオの望遠鏡は貴族の娯楽という面もあった。
(藤崎さんからの質問)劉さんは中国政府の科学的な役職にもつかれていますが。どのような役職でしょう。
・政府の仕事では、一つはクリエイターみたいな立場で企業のトップと話をします。企業とは直接関係ない話を聞かれることが多いです。
 思いもかけない話になって面白い。
 もう一つは火星探査プロジェクト。納税者に意義を説明する立場です。ただこれは難しい。
 まず、将来の火星移住のため。でもこれは説得力がない(会場笑い)もう一つは、火星資源の利用。でもこれも説得力がない(会場笑い)
 結局、生物が陸に上がったので一緒で火星に行く理由はない。でも行く。
(会場からの質問)最初に科学とSFに触れたのは。
・子供時代は文化大革命なので、あまり科学に関する本がなかった。中国の人工衛星が飛んでいるのを見たこと。

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第三部は劉慈欣さんと上田早夕里さん。司会は大澤博隆さん。後半のゲストはSF作家の長谷敏司さん、藤井太洋さん、立原透耶さん

小松左京とのかかわりについて。
・日本沈没の映画を見て原作を読んだ。作風が似ている。リアルにクレージーな状況を描く。(劉さん)
・60年代生まれの日本のSF作家はみんな影響を受けている。(上田さん)
SF冬の時代
・中国では何度もSF冬の時代があり、世代のつながりが途切れている。(劉さん)
・日本では手塚治虫がいた関係で映像(マンガ、アニメ)との関係でそちらの方が盛んになって小説が売れない時期があった。(上田さん)
映像とSF
・今は実写とアニメの境があいまいになっている。映像化は莫大なお金がかかる所が問題。今、中国ではSF映画ブームで過去のSFがどんどん映画化されている。
 SF映画バブルの状況。ただいずれオリジナル脚本のSFが増えれば落ち着くだろう(劉さん)
・日本ではアニメもすごいが、マンガですごいSFが出ている。(上田さん)
(長谷さんの質問)「三体」は素晴らしい作品でした。人類に取ってSFとはなんでしょう?
・SFは大衆文学で崇高なものではない。崇高なものは逆に深い感動を生まないと思う。
 人類が生き残ったのは他の種の持っていなかった想像力にある。SFはその想像力を使うものなので今後の人類に取って重要だと思う。(劉さん)

他にも色々な話があったのですが、楽しすぎてメモを忘れたので割愛。
中国のある作家がどうみてもSFなのにかたくなにSFと認めないという話は中国でのSFの立場が分かる様な。

大変楽しいイベントでした。

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