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風に吹かれて、旅の酒/カイシャデイズ [映画]

太田和彦「風に吹かれて、旅の酒」集英社文庫

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取材の旅から戻ったら、さあ趣味の時間だ。
銀幕のスターの演技に酔い、女流浪曲師の口演にしびれ、旅先で買い求めた蒐集品の整理にいそしむ。
ワタクシ、居酒屋のカウンターに座っているばかりではないのですぞ。
でもそのおかげで「独自の視点から日本の食文化に貢献」と文化庁から表彰状をいただいたんですから、世の中捨てたものじゃありません。
70歳を超えてなお充実の日々をつづったカラー文庫。
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太田和彦さんのサンデー毎日の連載をまとめた文庫の最新刊です。
太田さんの居酒屋本は結構読んでいたのですが、最近の本はあまり読んでいませんでした。
読んでみるとかなり印象が違いました。
居酒屋の話もあるのですが、むしろ趣味や色々な出会いの話がバラエティに富んでいて面白い。
昔、忌野清志郎と飲んだ話とか。
クラシック映画ファンの太田さんは、私も通いつめた昨年の「シネマヴェーラ渋谷:名脚本家から名監督へ」にも通っていたのはちょっと驚きました。
もしかするとすれ違っていたかも。
面白かったのでとりあえず前作「町を歩いて、縄のれん」を入手しました。読むのが楽しみです。

山本幸久「カイシャデイズ」文春文庫

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わがままで強面だが人望厚い営業チーフ、いつも作業着姿の昭和風二枚目施工監理部員、掟やぶりのヒラメキ型デザイナー。
彼ら“魔のトライアングル”三人組と内装会社の同僚達が、莫迦で無茶で情熱一杯に働く姿を描いた、胸を熱くさせる傑作ワーキングストーリー。
文庫書き下ろし短篇「シューカツデイズ」を収録。
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山本幸久さんの連作短編集です。実は山本さんの作品は初めて読みました。面白いですね。
小さな内装会社の人々を描いて共感させます。
どのキャラクターも印象的ですが、山本さんの彼らを描く筆致は優しいです。
各話での主人公がその次は脇役に回りだんだんとその世界が見えてきます。
実は単行本で読んだのですが、文庫には書き下ろし短篇が追加されているので、改めて文庫も読みました。
とても面白かったので山本さんの作品を読んでみようと思います。


風に吹かれて、旅の酒 (集英社文庫)

風に吹かれて、旅の酒 (集英社文庫)

  • 作者: 太田 和彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/10/21
  • メディア: 文庫



カイシャデイズ (文春文庫)

カイシャデイズ (文春文庫)

  • 作者: 山本 幸久
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: Kindle版



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