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手塚治虫とトキワ荘/松田聖子と中森明菜 [本]

中川右介さんの本をまた二冊。

中川右介「手塚治虫とトキワ荘」集英社文庫

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日本のマンガは、このアパートから生まれた。
手塚治虫、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、石ノ森章太郎、赤塚不二夫
……若き日の巨匠たちが集った聖地・トキワ荘。
日本のマンガ出版史を描き切る決定版評伝。
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最近、新たに建て直されたトキワ荘の物語です。
中川さんらしく膨大な資料を整理して、読み応えあります。
手塚の生い立ちから始まり、手塚がマンガ家になったあたりで、一転、講談社、小学館などの出版社の歴史の話になるのが凄い。
このあたりはマンガとミステリという違いはありますが、「江戸川乱歩と横溝正史」で大正、昭和の雑誌の歴史を描いた所の続編という感じ。
以後は、手塚とトキワ荘のマンガ家たちの仕事を追いながら、マンガ週刊誌の歴史を描いていきます。
トキワ荘の物語の集大成と言っていい労作です。
後半、マンガ家たちはトキワ荘を去り、最後が寺田ヒロオの死で終わるのが悲しいですね。

中川右介「松田聖子と中森明菜」幻冬舎新書

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アイドルを自覚して演じ、虚構の世界を謳歌する松田聖子。
生身の人間として、唯一無二のアーティストとしてすべてをさらす中森明菜。
相反する思想と戦略をもった二人の歌姫は、八〇年代消費社会で圧倒的な支持を得た。
商業主義をシビアに貫くレコード会社や芸能プロ、辛気臭い日本歌謡界の転覆を謀る作詞家や作曲家
…背後で蠢く野望と欲望をかいくぐり、二人はいかに生き延びたのか?
歌番組の全盛時代を駆け抜けたアイドル歌手の、闘争と革命のドラマ。
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松田聖子と中森明菜を対比して論じたアイドル論です。
これも膨大な資料を良く整理しています。
前半は山口百恵の話が結構長いです。
山口百恵の引退と前後する様に登場した松田聖子の話が多く、中森明菜はちょっと少な目。
これは証言者が多かったせいなのかも。
参考文献として引用されている「松本隆対談集」が面白そうなので、さっそく入手して今読んでいます。


手塚治虫とトキワ荘 (集英社文庫)

手塚治虫とトキワ荘 (集英社文庫)

  • 作者: 中川 右介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/05/20
  • メディア: 文庫



松田聖子と中森明菜

松田聖子と中森明菜

  • 作者: 中川右介
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/05/31
  • メディア: Kindle版



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非弁護人/高倉健からアホーと呼ばれた男 [本]

月村了衛「非弁護人」徳間書店

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元特捜検事・宗光彬。高度な法律関連事案の解決を請け負う彼は、裏社会で「非弁護人」と呼ばれる。
六年前の冤罪により、表向き弁護士活動はできなくなった身の上だ。
ふとした経緯で、ひとりのパキスタン人少年から「いなくなったクラスメイトを捜して欲しい」という依頼を受けた。
失踪した少女とその家族の行方を追ううちに、底辺の元ヤクザ達とその家族を食い物にする男の存在を知る。
おびただしい数の失踪した者達はことごとく惨殺され、子ども達は人身売買組織に売り払われた。
ヤクザを文字通り骨まで食い物にする〈ヤクザ喰い〉。
奇跡的にその男の手を脱した女性の手掛かりから男の指紋を検出することに成功した。
その名は蜷川功一。宗光は因縁の元同僚弁護士・篠田と共に反撃を開始する。
悪魔のような連続大量殺人犯に、いまなお確執を抱え、恩讐を越えたふたりが挑む!
著者渾身のリーガルサスペンス!
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月村了衛さんの新作長編小説です。
元検事の主人公が底辺の元ヤクザを食い物にする男を追い詰めていく話です。
これは面白かったです。
冤罪で前科があるため法廷に立てない主人公が、元同僚の弁護士と男と対決します。
犯人は巧妙でほとんど証拠を残していません。
その男を追い詰めていくプロセスが絶妙で読ませます。
さすがは月村さん、読み始めると止まりませんでした。


山平重樹「高倉健からアホーと呼ばれた男-付き人西村泰治が明かす-健さんとの40年-」

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健さんの何もかもを孫の孫の代まで風化させずに伝えていきたい――
「泰治、反省しろ! 」
2014年に83歳で没し、2020年に七回忌を迎える戦後最大の映画スター高倉健。
素顔の「健さん」は厳しい中にも、意外な茶目っ気があってイタズラ好きでもあった――。
40年来の付き人・西村泰治が本音で語った、「健さん」とヤッさんの物語。
数々のエピソード、秘話とともに貴重な未公開カラー写真を掲載。
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高倉健さんの付き人西村泰治さんが高倉さんの思い出を語った本です。
西村さんは本業はガソリンスタンド社長ですが、私的な付き人として高倉さんに尽くします。
来日時にブルック・シールズのガードをした話など色々な話が出てきます。
西村さんは高倉さんの映画にもたくさん出演していたとか。


非弁護人

非弁護人

  • 作者: 月村了衛
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2021/04/30
  • メディア: Kindle版



高倉健からアホーと呼ばれた男 付き人西村泰治(ヤッさん)が明かす――健さんとの40年

高倉健からアホーと呼ばれた男 付き人西村泰治(ヤッさん)が明かす――健さんとの40年

  • 作者: 山平重樹
  • 出版社/メーカー: かや書房
  • 発売日: 2020/11/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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幼女戦記12/烈火の大洋1 [本]

カルロ・ゼン「幼女戦記12」KADOKAWA

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戦場で勝利し、戦場で勝利し続け、しかし帝国は破滅へ一直線。
爛れ切った愛国心と、残酷な現実の抱擁を経てゼートゥーアは「世界の敵」たるべく舞台を作り上げていく。
死に逃げることも出来ない参謀本部の責任者としてゼートゥーアが求めるのは『最良の敗北』なのだ。
言葉よりも、理性よりも、ただ、衝撃を世界に。世界よ、刮目せよ、恐怖せよ、そして神話に安住せよ。
我こそは、諸悪の根源なり。
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最新12巻。
転生して幼女となった現代のサラリーマンが魔道のある世界で戦功をあげて出世していくと言う話です。
コミックとアニメ化されています。
相変わらず戦略や兵站についてマニアックに語られています。
今後どうなるのか、続巻楽しみですが、もう少し刊行ペースは上げて欲しいかな。

横山信義「烈火の大洋1 セイロン島沖海戦」C★NOVELS

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昭和一四年、日本陸軍は満蒙国境ノモンハンにてソ連軍に押され続けていた。
このまま日ソ全面戦争に発展することを恐れた日本は、急ぎドイツ・イタリアとの同盟を締結。
ソ連軍も矛を収め、相互不可侵条約が成立した。だが、北の脅威がなくなったことに安堵できた時は短い。
ドイツがポーランドを攻撃、イギリス・フランス両国と戦争状態を引き起こしてしまう。
三国同盟の約定により参戦することとなった日本は、西太平洋のイギリス領・フランス領を攻撃。
マレー・シンガポール・ビルマなどを占領し、連合艦隊はインド洋へと進出した。
だが、そこにはイギリス海軍の最強戦艦が待ち構えていたのである――。
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横山信義さんの仮想戦記新シリーズです。
今回、史実より早く1939年に日独伊三国同盟が結ばれていたら、というIFです。
ドイツのポーランド侵攻により日本も英仏との戦いに参戦しイギリス領・フランス領を攻撃。
アメリカは参戦していません。
インド洋に進出し戦艦同士の戦いとなります。
時代が1939年なので零戦は空母に搭載されていず、96艦戦が活躍する所が面白い。
続巻楽しみです。


幼女戦記 12 Mundus vult decipi, ergo decipiatur

幼女戦記 12 Mundus vult decipi, ergo decipiatur

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: Kindle版



烈火の大洋1-セイロン島沖海戦 (C・Novels 55-115)

烈火の大洋1-セイロン島沖海戦 (C・Novels 55-115)

  • 作者: 横山 信義
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2021/08/18
  • メディア: 新書



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モンタナの目撃者 [映画]

「モンタナの目撃者」見ました。

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アンジェリーナ・ジョリーが主演を務めたサバイバルスリラー。
殺人現場を目撃し命を狙われる少年を保護した森林消防隊員が、少年を守るため奮闘する。
監督・脚本は『ウインド・リバー』などのテイラー・シェリダン。
共演には『トールキン 旅のはじまり』などのニコラス・ホルト、ドラマ「タイドランド」などのフィン・リトル、ドラマシリーズ「プロジェクト・ブルーブック」などのエイダン・ギレン、シェリダン監督作『ウインド・リバー』などのジョン・バーンサルらがそろう。
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アンジェリーナ・ジョリー主演のサスペンス映画です。
ジョリーは少年たちを助けられなかったトラウマを抱える森林消防隊員で、殺し屋に追われる少年を守って戦います。
二人の殺し屋(兄弟という設定は見た後で知りました)をニコラス・ホルトとエイダン・ギレンが演じています。
二人ともうまい役者なので、演技に見ごたえがありますね。
悪役がうまいのではらはらさせます。
最後は大規模な森林火災の中での悪役との闘いが見せました。

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監督 テイラー・シェリダン
脚本 マイケル・コリータ、チャールズ・リーヴィット、テイラー・シェリダン
原作 マイケル・コリータ『Those Who Wish Me Dead』
音楽 ブライアン・タイラー
ハンナ・フェイバー - アンジェリーナ・ジョリー
コナー・キャサリー - フィン・リトル
パトリック・ブラックウェル - ニコラス・ホルト
ジャック・ブラックウェル - エイダン・ギレン
アーサー・フィリップ - タイラー・ペリー
イーサン・ソーヤー - ジョン・バーンサル
アリソン・ソーヤー - メディナ・センゴア
オーウェン・キャサリー - ジェイク・ウェバー
ベン - ジェームズ・ジョーダン
ライアン - トリー・キトルズ
ティナ - ローラ・マルティネス=カニンガム
ヴィック - ハワード・ファーガソン・Jr
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シャン・チー/テン・リングスの伝説 [映画]

「シャン・チー/テン・リングスの伝説」見ました。

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ちょっと話の展開に触れています。



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『アベンジャーズ』シリーズなどを手掛けるマーベル・スタジオによるヒーローアクション。
悪の組織を率いる父親の恐ろしい計画に巻き込まれていく主人公の姿を描く。
『黒い司法 0%からの奇跡』などのデスティン・ダニエル・クレットンがメガホンを取る。
シム・リウが主人公、『インファナル・アフェア』シリーズなどのトニー・レオンが父親を演じ、『クレイジー・リッチ!』などのミシェル・ヨー、『フェアウェル』などのオークワフィナらが共演する。
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これは面白かった。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」の第25作目だそうです。
1000年以上生きているという父トニー・レオンの巨大組織を築くイントロは中国戦国物みたい。
主人公シム・リウの話になってからもアクションが快調。
バスの中での戦い、高層ビルの外の足場での戦いには唖然。
後半ミシェル・ヨーが重要な役で登場し活躍するのもうれしい。
ベン・キングズレーに似た人が出ていると思ったら本人でした。
最後は大怪獣特撮映画になるので、怪獣映画ファンは見逃さない様に。
他のマーベルものとはあまり接点はないですが、「ドクター・ストレンジ」のベネディクト・ウォンの出演が楽しい。
エンドクレジット後も二つオマケがあるので席を立たないように。

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監督 デスティン・ダニエル・クレットン
脚本 デヴィッド・キャラハム、デスティン・ダニエル・クレットン
原作 スティーブ・エングルハート、ジム・スターリン『シャン・チー』
ショーン / シャン・チー - シム・リウ
ケイティ・チェン - オークワフィナ
シャーリン - メンガー・チャン
幼いシャーリン - ハーモニー・ヒー
イン・リー - ファラ・チャン
レーザー・フィスト - フロリアン・ムンテアヌ
デス・ディーラー - アンディ・リー
ウォン - ベネディクト・ウォン
イン・ナン - ミシェル・ヨー
トレヴァー・スラッタリー - ベン・キングズレー
シュー・ウェンウー - トニー・レオン
アボミネーション - ティム・ロス
ジャン・ジャン - ロニー・チェン
ミセス・チェン - ジョディ・ロン
ルイファ - ダラス・リュー
グアン・ボー - ユン・ワー
クレヴ - ザック・チェリー
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