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春秋一刀流 [映画]

「春秋一刀流」見ました。

シネマヴェーラ渋谷《「伝説のカルト映画館 大井武蔵野館の6392日」刊行記念 大井武蔵野館になってみた!》で鑑賞。

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当時の時代劇に新風を巻き起こし、山中貞雄の再来とまで騒がれた、菅沼完治門下の俊英・丸根賛太郎のデビュー第1作。
丸根の脚本を気に入った大スター・片岡千恵蔵の後押しで実現した。
千葉道場を破門となり、今ではしがない用心棒稼業に身をやつした浪人・平手造酒が、史上名高い飯岡の助五郎と笹川の繁蔵の抗争に巻き込まれていく。
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丸根賛太郎監督のデビュー作。昭和14年の作品ですが、なかなか面白い。
片岡千恵蔵が平手造酒を演じます。志村喬がコミカルな味を出しうまいですね。
笹川の繁蔵は沢村国太郎。沢村貞子の兄というより長門裕之・津川雅彦の父の方が通りがいいかな。
轟夕起子がきれい。
太田和彦さん(大井武蔵野館ファン代表)は本作を絶賛しています。

監督:丸根賛太郎
原作:丸根賛太郎
脚本:丸根賛太郎
音楽:高橋半
助監督:安田公義
片岡千恵蔵 - 平手造酒
沢村国太郎 - 笹川の繁蔵
河部五郎 - 勢力富五郎
市川小文治 - 飯岡助五郎
原健作 - 只木巌流
香川良介 - 医者仁庵
田村邦男 - 須賀山の多駄平
志村喬 - 多聞重兵衛
仁礼功太郎 - 清滝の佐吉
浅野象二郎 - 村瀬勝左衛門
轟夕起子 - 繁蔵妹お勢以
衣笠淳子 - 繁蔵女房お雪
香住佐代子 - 多駄平女房お菊
比良多恵子 - 身投げ娘おみね
常盤操子 - 助五郎女房お勝
小松みどり - お寺掃除婆さん

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碁盤斬り [映画]

「碁盤斬り」見ました。

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身に覚えのない罪をきせられたうえに妻も失い、故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進は、娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしていた。
実直な格之進は、かねて嗜む囲碁にもその人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心がけている。
そんなある日、旧知の藩士からかつての冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は復讐を決意。
お絹は仇討ち決行のため、自らが犠牲になる道を選ぶが……。
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白石和彌監督の時代劇です。これは面白かった。
清原果耶がきれい。「青春18×2 君へと続く道」と合わせて今年は清原果耶イヤーになりました。
草彅剛はじめ他の俳優陣もみな好演しています。
特にファンの國村隼さんが冒頭から最後までずっと出ているのがうれしい。
原作は落語だそうで、お話の展開にはちょっと突っ込みドコロもありますが。

監督 白石和彌
脚本 加藤正人
音楽 阿部海太郎
柳田格之進:草彅剛
お絹:清原果耶
弥吉:中川大志
梶木左門:奥野瑛太
徳次郎:音尾琢真
長兵衛:市村正親
八兵衛:立川談慶
志乃:中村優子
柴田兵庫:斎藤工
お庚:小泉今日子
萬屋源兵衛:國村隼
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刑事何森 孤高の相貌/刑事何森 逃走の行先 [本]

丸山正樹「刑事何森 孤高の相貌」創元推理文庫

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埼玉県警の何森稔は、昔気質の一匹狼の刑事である。
有能だが、組織に迎合しない態度を疎まれ、所轄署をたらいまわしにされていた。
久喜署に所属していたある夜、何森は殺人事件の捜査に加わる。
障害のある娘と二人暮らしの母親が、二階の部屋で何者かに殺害された事件だ。
階段を上がれない娘は大きな物音を聞いて怖くなり、ケースワーカーを呼んで通報してもらったのだという。
県内で多発している窃盗事件と同一犯だろうという捜査本部の方針に疑問を持った何森は、ひとり独自の捜査を始める――。
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丸山正樹さんのデフ・ヴォイスシリーズのスピンオフです。
人気キャラクター何森刑事を主人公とした連作短編集。これは面白かった。
何森が魅力的なのとミステリ的によく出来ているのがいいですね。
どの短編もよく出来ていますが、特に最後の中編は力作。
事件の哀しいラストと何森の辛い過去が交錯し思わず涙してしまいました。
東野圭吾さんの最良の作品に匹敵すると言ってはちょっとほめすぎでしょうか。
お勧めです。

丸山正樹「刑事何森 逃走の行先」東京創元社

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優秀な刑事ながらも組織に迎合しない性格から、上から疎まれつつ地道な捜査を続ける埼玉県警の何森稔。
翌年春の定年を控えたある日、ベトナム人技能実習生が会社の上司を刺して姿をくらました事件を担当することになる。
実習生の行方はようとして掴めず、捜査は暗礁に乗り上げた、何森は相棒の荒井みゆきとともに、被害者の同僚から重要な情報を聞き出し──。
技能実習生の妊娠や非正規滞在外国人の仮放免、コロナ禍による失業と貧困化などを題材に、罪を犯さざるを得なかった女性たちを描いた全3編を収録。
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デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフ2作目。
面白いですが、前作が傑作だっただけにそこまでではないかな。
非正規滞在外国人という弱者をテーマにするあたりは丸山さんらしいです。
デフ・ヴォイスシリーズの主人公の妻で刑事の荒井みゆきとのコンビは前作以上にいい感じなんですが。
でも面白かったので続編希望です。


刑事何森 孤高の相貌 (創元推理文庫)

刑事何森 孤高の相貌 (創元推理文庫)

  • 作者: 丸山 正樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2023/11/30
  • メディア: 文庫



刑事何森 逃走の行先

刑事何森 逃走の行先

  • 作者: 丸山 正樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2023/06/19
  • メディア: 単行本



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デフ・ヴォイスシリーズ [本]

丸山正樹さんのデフ・ヴォイスシリーズを読みました。このシリーズは面白い。

丸山正樹「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」文春文庫

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仕事と結婚に失敗した荒井尚人。いまの恋人にも半ば心を閉ざしているが、やがて唯一の技能を活かして手話通訳士になる。
あるろう者の法廷通訳を引き受け、過去の事件に対峙することに。現在と過去、二つの事件の謎が交錯をはじめ……。
マイノリティの静かな叫びが胸を打つ、感動の社会派ミステリー。シリーズ通して読み継がれるロングセラーです。
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ドラマ化もされた丸山正樹さんの長編デビュー作です。
丸山さんは頸髄損傷の奥さんを介護しているそうで、その点から障害をテーマにした小説を書いています。
本作はろう者がテーマですが、主人公は映画で有名になったCODA(家族はろう者で自身は聞こえる)です。
警察組織で孤立し離職した主人公が手話通訳士となりマイノリティの側に立とうと奮戦しますが、、
最初は主人公に敵対すると思わせる何森刑事の真意が明かされるシーンが感動的。

丸山正樹「龍の耳を君に: デフ・ヴォイス」創元推理文庫

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手話通訳士の荒井尚人は、コミュニティ通訳のほか、法廷や警察で事件の被疑者となったろう者の通訳をする生活の中、場面緘黙症の少年に手話を教えることになった。
めきめきと上達した少年はある日、殺人事件について手話で話し始める――。
NPO職員が殺害された現場は、少年の自宅の目の前だった。
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シリーズ2作目。主人公は手話通訳士として仕事を続けています。
主人公と恋人、その子の三人から目が離せません。
何森刑事も登場します。

丸山正樹「慟哭は聴こえない: デフ・ヴォイス」創元推理文庫

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ろう者の妊婦から医療通訳の依頼を受けた手話通訳士・荒井尚人。
専門知識が必要で、しかも産婦人科であるために苦戦しながらも丁寧に対応したのだが、翌日、彼女からSOSが届き──。
ろう者による緊急通報の困難を問題提起した表題作ほか、急死したろう者の素性を何森刑事と共に探る旅路を描く「静かな男」など、荒井が出合った四つの事件。
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シリーズ3作目。ろう者の緊急通報の困難を描いた表題作他、読み応えのある短編集。
何森刑事も重要な役で登場します。

丸山正樹「わたしのいないテーブルで: デフ・ヴォイス」東京創元社

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コロナ禍の2020年春、手話通訳士の荒井の家庭も様々な影響を被っていた。
刑事である妻・みゆきは感染に怯えつつも業務をこなし、一方の荒井は二人の娘の面倒を見るため手話通訳の仕事も出来ない。
そんな中、旧知のNPO法人から、女性ろう者が起こした傷害事件の弁護団への通訳としての参加依頼が届く。
些細な口論の末に実母をナイフで刺した事件。聴者である母親との間に何が?
コロナ禍でのろう者の実態と苦悩を描く、〈デフ・ヴォイス〉シリーズ最新長編。
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シリーズ4作目。最新長編です。2020年春コロナ禍で苦悩するろう者がテーマです。
主人荒井はみゆきと結婚し、娘にも恵まれます。ですが娘は聞こえない子でした。
主人公は女性ろう者が口論の末、母を刺した事件に弁護団の通訳として参加しますが、、
やはりこのシリーズは面白い。続巻も期待しています。


デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫 ま 34-1)

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫 ま 34-1)

  • 作者: 丸山 正樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/08/04
  • メディア: 文庫



龍の耳を君に: デフ・ヴォイス

龍の耳を君に: デフ・ヴォイス

  • 出版社/メーカー: MediaDo
  • 発売日: 2024/06/07
  • メディア: Audible版



慟哭は聴こえない (デフ・ヴォイス)

慟哭は聴こえない (デフ・ヴォイス)

  • 作者: 丸山 正樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/06/28
  • メディア: 単行本



わたしのいないテーブルで: デフ・ヴォイス

わたしのいないテーブルで: デフ・ヴォイス

  • 作者: 丸山 正樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/08/31
  • メディア: 単行本



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ハミングバード [映画]

「ハミングバード」地上波の録画で見ました。

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「トランスポーター」「エクスペンダブルズ」シリーズの人気アクション俳優ジェイソン・ステイサムが、復讐に燃える元特殊部隊員を熱演したサスペンスアクション。
かつて特殊部隊を率いていた元軍曹ジョゼフは、戦場で犯した罪から逃れるようにロンドンの裏社会でひっそりと生きていた。
彼にはただひとり心を通わせる少女がいたが、ある日突然、彼女は拉致されてしまう。
少女を救うべく、他人になりすまして裏社会でのしあがっていくジョゼフだったが……。
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ジェイソン・ステイサム主演の2013年のイギリス映画です。
ロンドンの裏社会で生きている主人公が復讐に乗り出すという話です。
心を通わせる修道女のヒロインを演じるアガタ・ブゼクがきれい。
役はロシア出身という設定ですが、本人はポーランド出身ですね。
お話は結構アバウトですが、俳優陣の魅力で見せました。

監督 スティーヴン・ナイト
脚本 スティーヴン・ナイト
音楽 ダリオ・マリアネッリ
ジョゼフ・スミス/ジョーイ・ジョーンズ - ジェイソン・ステイサム
シスター・クリスティナ - アガタ・ブゼク
ドーン - ヴィッキー・マクルア
ミスター・チョイ - ベネディクト・ウォン
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FOCUS [映画]

「FOCUS」地上波の録画で見ました。

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ウィル・スミスが視点を操ることで相手を手玉にとる犯罪のプロに扮したクライムサスペンス。
監督・脚本は、「フィリップ、きみを愛してる!」「ラブ・アゲイン」のグレン・フィカーラ&ジョン・レクア。
詐欺師集団を束ねるニッキーは、未熟な女詐欺師のジェスに懇願され、彼女をチームに入れて育てることに。
仕事の足かせになる恋愛はしない主義のニッキーだったが、ジェスとの関係は師弟のそれを超えたものになってしまう。
ある大きなヤマに勝った後、ニッキーはジェスに大金を渡して別れを告げるが、数年後、大きな狩り場でもあるブエノスアイレスのモーターレース会場でジェスと再会。
彼女は男を手玉に取る女詐欺師に成長しており、2人は世界の大富豪を巻き込み騙し合いを繰り広げる。
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ウィル・スミス主演の2015年のアメリカ映画です。
ウィル・スミスは安定の面白さ。マーゴット・ロビーがきれいですね。
お話も面白く、前半のある詐欺は観客とマーゴット・ロビーには作戦内容が明かされないのでハラハラさせます。
後半の本筋も面白い。あの人がXXだとは意外でした。

監督 グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
脚本 グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
音楽 ニック・ウラタ
ニッキー - ウィル・スミス(楠大典)
ジェス - マーゴット・ロビー(佐古真弓)
ガリーガ - ロドリゴ・サントロ(三木眞一郎)
オーウェンズ - ジェラルド・マクレイニー(坂口芳貞)
リ・ユァン - B・D・ウォン(近藤浩徳)
ファハド - エイドリアン・マルティネス(桜井敏治)
マキューエン - ロバート・テイラー(中根徹)
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プライベートな星間戦争/君のクイズ/鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々 [本]

森岡浩之「プライベートな星間戦争」星海社FICTIONS

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人類がテクノロジーの力によって「半神」に進化した近未来、天使たちは神を狙う悪魔との決戦に備えていた。
新人天使エスクは天使城の指令に従い、宇宙空間に襲来する悪魔と戦うが、神の命令に言い知れぬ違和感を覚えていたーー。
星雲賞・SF大賞の森岡浩之、待望の新作スペースオペラ!
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森岡浩之さんの最新作です。
天使と悪魔の戦いを描く第1部、その謎解きの第2部と凝った話で面白かったです。
ただ、星海社のライトノベルにこの題材が合っていたかというと微妙ですね。

小川哲「君のクイズ」朝日新聞出版

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生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。
いったい彼はなぜ、正答できたのか?
真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
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小川哲さんの新作です。クイズを題材にしたミステリーです。
問題が読まれる前に正答したという謎が鮮やかで、しかも展開が面白かったです。
さすが小川哲さんでした。

「鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々」DU BOOKS

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第96回米国アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞『君たちはどう生きるか』を“宣伝なき宣伝”で大ヒットさせた、スタジオジブリのカリスマプロデューサー鈴木敏夫と、世界的に評価される作品を作り続けてきた映画監督押井守による初の対談集。
君は、そこまで言うのか!?忖度いっさいなし。“悪友”同士が語りつくす、40余年の愛憎。
仕事観、人生観、旅、思い出......アニメと映画の未来まで
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鈴木敏夫さんと押井守さんの対談集です。
一部読んでいたものもありましたが、ほとんどは初めて読みました。
これは面白かったです。「パトレイバー」の後藤隊長のモデルは鈴木さんだそうですね。
ジブリアニメの話は前に押井さんが本にしていたので評価は想像がついていました。


プライベートな星間戦争 (星海社 e-FICTIONS)

プライベートな星間戦争 (星海社 e-FICTIONS)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2023/12/12
  • メディア: Kindle版



君のクイズ

君のクイズ

  • 作者: 小川 哲
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2022/10/07
  • メディア: Kindle版



鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々

鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々

  • 出版社/メーカー: DU BOOKS
  • 発売日: 2024/02/29
  • メディア: Kindle版



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君が手にするはずだった黄金について/極楽征夷大将軍/本の雑誌の目黒考二・北上次郎・藤代三郎 [本]

本の感想です。溜めてしまったので短縮版です。

小川哲「君が手にするはずだった黄金について」新潮社

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才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの?
青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。
著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。
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小川哲さんの短編集です。
小川さん本人が主人公と思わせて実はフィクション?
小川さんらしく読ませる短編集でした。

垣根涼介「極楽征夷大将軍」文藝春秋

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動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。
やがて後醍醐天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。
後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。
混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
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垣根涼介さんの新作長編です。直木賞受賞作。
足利尊氏が主人公ですが、弟直義、重臣・高師直の視点から描きます。
足利幕府の誕生の話は分かりにくいのですが、かなりすっきりと描かれています。

「本の雑誌の目黒考二・北上次郎・藤代三郎」別冊本の雑誌

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品切れとなった「本の雑誌」追悼号(2023年5月号)を完全収録の上、さらにたくさんの追悼コメントや追悼企画も多数収録。
またこれまで目黒考二が「本の雑誌」で書いてきた原稿を厳選し再収録。
目黒考二という偉大なる「本好き」の功績をまとめた永久保存版の一冊。
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2023/1/19に亡くなった目黒考二さんの追悼特集です。
本の雑誌社長・評論家としての目黒考二、エッセイストとしての北上次郎、競馬評論家としての藤代三郎の三つの顔を掘り下げています。


君が手にするはずだった黄金について

君が手にするはずだった黄金について

  • 作者: 小川哲
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/10/18
  • メディア: Kindle版



極楽征夷大将軍 (文春e-book)

極楽征夷大将軍 (文春e-book)

  • 作者: 垣根 涼介
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/05/11
  • メディア: Kindle版



本の雑誌の目黒考二・北上次郎・藤代三郎 (別冊本の雑誌 21)

本の雑誌の目黒考二・北上次郎・藤代三郎 (別冊本の雑誌 21)

  • 出版社/メーカー: 本の雑誌社
  • 発売日: 2023/09/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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Voyage想像見聞録/辺境メシ ヤバそうだから食べてみた/扉の向う側 [本]


本の感想です。溜めてしまったので短縮版です。

宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生「Voyage想像見聞録」講談社

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さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。様変わりした生活、奪われる自由――。
でも大丈夫、私たちには「小説」がある。国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大!
最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー!

宮内悠介 「国境の子」
対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。
藤井太洋 「月の高さ」
旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。
小川 哲 「ちょっとした奇跡」
自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。
深緑野分 「水星号は移動する」
移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう?
森 晶麿 「グレーテルの帰還」
あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えた――。
石川宗生 「シャカシャカ」
地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。
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注目の新人作家の短編を集めたアンソロジーです。
どの短編も面白かったです。

高野秀行「辺境メシ ヤバそうだから食べてみた」文春文庫

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ヒキガエルジュース、ジャングルのゴリラ肉、アマゾンの口噛み酒、胎盤餃子…。
辺境探検の第一人者が旅のなかで味わい尽くした、世界の「珍食」「奇食」の数々。
端から見て“ヤバい”料理であればあるほど、民族の長い歴史や伝統が息づいている!?
抱腹絶倒間違いなしのクレイジー・グルメ・ジャーニー!
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高野秀行さんが辺境を旅して食べた珍食、奇食を書いた本です。
写真もついているので苦手な人は注意。
でも個人的には楽しく読みました。

ヤマザキマリ「扉の向う側」マガジンハウス

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自分に見えてる世界なんてほんのちっぽけ
地球の片隅で凛と生きる人たちーー
「ku:nel」人気連載エッセイ、オールカラー画で待望の書籍化。
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ヤマザキマリさんが世界で出会った人たちについて書いた本です。
イラストも印象的です。


Voyage 想像見聞録

Voyage 想像見聞録

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



辺境メシ ヤバそうだから食べてみた (文春文庫)

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた (文春文庫)

  • 作者: 高野 秀行
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/11/10
  • メディア: Kindle版



扉の向う側

扉の向う側

  • 作者: ヤマザキマリ
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2023/11/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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彷徨える艦隊 ジェネシス 先駆者たち/夢の砦 二人でつくった雑誌「話の特集」/パスタぎらい [本]

本の感想です。溜めてしまったので短縮版です。

ジャック・キャンベル「彷徨える艦隊 ジェネシス 先駆者たち」ハヤカワ文庫SF

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〈彷徨える艦隊〉の時代から時をさかのぼること数世紀……アルファル星系艦隊の退役士官ロバート・ギアリーは、新コロニー設立をめざす四千人の移民団に加わった。
だが到着早々、近隣のスカザ星系の戦闘艇が現われ、この星系はスカザ星系の保護下にあると宣言し、保護料を要求する。
たった20名の防衛部隊の隊長に任命されたギアリーは、救命服と殺傷力のない麻酔銃だけを武器に戦闘艇に立ち向かうが!?
新シリーズ堂々開幕!
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「彷徨える艦隊」の外伝2作目です。
本編の数世紀前、本編の主人公ジャック・ギアリーの先祖の物語です。
こちらは読まなくてもいいかなと思っていたのですが、本編の12巻が面白かったので読んでみました。
なかなか面白かったですが、こちらの外伝の続きはいつ出るかな。

矢崎泰久、和田誠「夢の砦 二人でつくった雑誌「話の特集」」ハモニカブックス

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「アートディレクターのギャラは払えないの?じゃあ、その代わりデザインは勝手にやるし、企画内容も口出しさせてもらうね」
この約束から二人の雑誌づくりは始まった。30年間にわたって、和田誠はノーギャラでADを務める。
ADというより和田誠は事実上の編集長でさえあったと語る矢崎泰久。
雑誌「話の特集」は和田誠なしには存在しなかった。
単行本未収録「雪国」、吉永小百合インタビュー、ユージン・スミスとの対談など「話の特集」を舞台に発表された希少な名作を再録。
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矢崎泰久さんが和田誠さんとの縁を中心に語る「話の特集」。
和田誠さんは事実上の編集長だったそうですが、ノーギャラというのが凄い。
それだけ楽しかったのでしょうね。
単行本未収録「雪国」や対談も収録。

ヤマザキマリ「パスタぎらい 」新潮新書

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断言しよう。パスタより美味しいものが、世界にはある!
フィレンツェのモツ煮込み、シチリア島で頬張った餃子、理性を狂わすポルチーニ茸、死にたいくらいに憧れた日本食、忘れ難いおにぎりの温もり、冷えたナポリタンetc.
いわゆるグルメじゃないけれど、食への渇望と味覚の記憶こそが、私の創造の原点――。
絵画を学ぶため、17 歳でフィレンツェに留学。イタリア以外にも北海道やリスボン、エジプト、シリア、シカゴに暮らし、世界中を旅したヤマザキマリが、胃袋で世界とつながった経験を美味しく綴る、極上の食文化エッセイ。
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ヤマザキマリさんの食文化エッセイです。
美味しいものの話もありますが、いわゆるB級グルメの話が多いかな。
でもB級でもいかにも美味しそうです。
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