地図のない場所で眠りたい/メモリークエスト [本]
高野秀行さんの本を二冊。高野さんの本は面白い。
高野秀行、角幡唯介「地図のない場所で眠りたい」講談社文庫
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探検部を卒業し、今を時めく人気ノンフィクション作家となった高野秀行と角幡唯介。
未知の世界への憧れを原動力とする点は共通するが、テーマの選び方やアプローチの仕方は大きく異なる。
高野は混沌とした人の渦へ頭からダイブし、角幡は人跡未踏の地をストイックに攻める。
夢追い人二人の、仕事の流儀!
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早稲田探検部出身のお二人が語り合った本です。
角幡唯介さんの本は初めて読みました。
角幡さんは高野さんの10才下なので探検部では接点はなかったそうです。
高野さんの本はたくさん読んでいるのですが、角幡さんはより人跡未踏の地を攻めるというスタンス。
対談は面白かったので角幡さんの本も読んでみるかな。
高野秀行「メモリークエスト」幻冬舎文庫
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ふとした瞬間に思い出す「あいつ、どうしてるかな?」という誰かや、「あれは何だったんだろう?」という何か。
そんな記憶を募集して、地球規模で探しにいくという酔狂極まりないプロジェクト「メモリークエスト」。
意気揚々と旅立った著者だが、見通しが立たなさ過ぎていきなり茫然。どうなる?
笑いと感動で読む者を圧倒する、伝説の大追跡記。
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読者から募った内容を元に世界各地を訪ね、依頼した人を探し出すという本です。
5話収録ですが、最後の2話が凄い。
1話が読者ではなく高野さんの昔会った人というのはご愛嬌。
それはアフリカで、内戦での政変に巻き込まれて刑務所を脱走して旅をしていた人。
南アフリカを目指すというその人に何と再会してしまう。
その人の語る過去が凄い。
もう一つは読者からの内容で、アメリカ留学で知り合ったが、ユーゴ内戦で消息不明となった人。
高野さんはユーゴに向かいますが、、
結果は読んで欲しいですが、感動的です。
高野秀行、角幡唯介「地図のない場所で眠りたい」講談社文庫
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探検部を卒業し、今を時めく人気ノンフィクション作家となった高野秀行と角幡唯介。
未知の世界への憧れを原動力とする点は共通するが、テーマの選び方やアプローチの仕方は大きく異なる。
高野は混沌とした人の渦へ頭からダイブし、角幡は人跡未踏の地をストイックに攻める。
夢追い人二人の、仕事の流儀!
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早稲田探検部出身のお二人が語り合った本です。
角幡唯介さんの本は初めて読みました。
角幡さんは高野さんの10才下なので探検部では接点はなかったそうです。
高野さんの本はたくさん読んでいるのですが、角幡さんはより人跡未踏の地を攻めるというスタンス。
対談は面白かったので角幡さんの本も読んでみるかな。
高野秀行「メモリークエスト」幻冬舎文庫
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ふとした瞬間に思い出す「あいつ、どうしてるかな?」という誰かや、「あれは何だったんだろう?」という何か。
そんな記憶を募集して、地球規模で探しにいくという酔狂極まりないプロジェクト「メモリークエスト」。
意気揚々と旅立った著者だが、見通しが立たなさ過ぎていきなり茫然。どうなる?
笑いと感動で読む者を圧倒する、伝説の大追跡記。
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読者から募った内容を元に世界各地を訪ね、依頼した人を探し出すという本です。
5話収録ですが、最後の2話が凄い。
1話が読者ではなく高野さんの昔会った人というのはご愛嬌。
それはアフリカで、内戦での政変に巻き込まれて刑務所を脱走して旅をしていた人。
南アフリカを目指すというその人に何と再会してしまう。
その人の語る過去が凄い。
もう一つは読者からの内容で、アメリカ留学で知り合ったが、ユーゴ内戦で消息不明となった人。
高野さんはユーゴに向かいますが、、
結果は読んで欲しいですが、感動的です。
俺たちの箱根駅伝 [本]
池井戸潤「俺たちの箱根駅伝」上下 文藝春秋
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古豪・明誠学院大学陸上競技部。箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。
本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。
故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。
隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか?
ついに迎えた1月2日、箱根駅伝本選。中継を担う大日テレビのスタッフは総勢千人。
東京~箱根間217.1kmを伝えるべく奔走する彼らの中枢にあって、プロデューサー・徳重はいままさに、選択を迫られていた――。
テレビマンの矜持(きょうじ)を、「箱根」中継のスピリットを、徳重は守り切れるのか?
一方、明誠学院大学陸上競技部の青葉隼斗。
新監督の甲斐が掲げた「突拍子もない目標」の行方やいかに。
そして、煌(きら)めくようなスター選手たちを前に、彼らが選んだ戦い方とは。
全てを背負い、隼斗は走る。
------------
池井戸潤さんの最新作です。今回の題材は箱根駅伝。
登場するのは駅伝の選手と新監督、そして中継をするテレビマンたち。
上巻は箱根駅伝まで群像ドラマ。
選手たちや監督が箱根駅伝を目指します。
一方、駅伝の中継の準備をするテレビマンも描かれますが、どちらもに色々と問題があり葛藤があります。
そして下巻はまるまる1冊で箱根駅伝を描きます。
さすがは池井戸さん読ませますね。
池井戸作品なのでいずれ映像化されるでしょうが、キャラクターが立っているので誰が演じるか気になります。
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古豪・明誠学院大学陸上競技部。箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。
本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。
故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。
隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか?
ついに迎えた1月2日、箱根駅伝本選。中継を担う大日テレビのスタッフは総勢千人。
東京~箱根間217.1kmを伝えるべく奔走する彼らの中枢にあって、プロデューサー・徳重はいままさに、選択を迫られていた――。
テレビマンの矜持(きょうじ)を、「箱根」中継のスピリットを、徳重は守り切れるのか?
一方、明誠学院大学陸上競技部の青葉隼斗。
新監督の甲斐が掲げた「突拍子もない目標」の行方やいかに。
そして、煌(きら)めくようなスター選手たちを前に、彼らが選んだ戦い方とは。
全てを背負い、隼斗は走る。
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池井戸潤さんの最新作です。今回の題材は箱根駅伝。
登場するのは駅伝の選手と新監督、そして中継をするテレビマンたち。
上巻は箱根駅伝まで群像ドラマ。
選手たちや監督が箱根駅伝を目指します。
一方、駅伝の中継の準備をするテレビマンも描かれますが、どちらもに色々と問題があり葛藤があります。
そして下巻はまるまる1冊で箱根駅伝を描きます。
さすがは池井戸さん読ませますね。
池井戸作品なのでいずれ映像化されるでしょうが、キャラクターが立っているので誰が演じるか気になります。
西南シルクロードは密林に消える/巨流アマゾンを遡れ [本]
高野秀行さんの本をさらに二冊。高野さんの本は面白い。
高野秀行「西南シルクロードは密林に消える」講談社文庫
------------
中国四川省の成都を出発し、ビルマ北部を通って、最後にはインドへ
――幻の西南シルクロードに挑む著者の前には、圧倒的なジャングルと反政府少数民族ゲリラの支配する世界屈指の秘境がたちふさがっていた。
混迷と困難を極める旅なのに、これほど笑えるのはなぜか。究極のエンタメ・ノンフィクションついに登場。
------------
「アヘン王国体験記」の次の本、前作とちょっと似ていて、高野さんはビルマの反政府ゲリラを頼り中国からビルマを通ってインドに出る西南シルクロードをたどります。
最初は車で移動する想定で革靴だったという、、
むろんそううまくはいかなくてほぼ全行程を歩きと船で移動します。
しかも中国・ビルマ国境は密出国状態。
ビルマ反政府ゲリラの別の組織の助けを借りて何とかインドに入りますが、、
インド政府に出頭しますが、結局国外退去に。
高野さんは大丈夫だと思っていたのですが、後にインドに入国しようとしてこの時の密入国の罪でインドには入れなくなります。
高野秀行「巨流アマゾンを遡れ」集英社文庫
------------
河口から最長源流までなんと6770km。早大探検部出身の著者が、ピラニアを釣りワニを狩り、麻薬売人と親交を深めつつ船で河を遡行。
アマゾン最初の一滴を目指す傑作紀行4か月。
------------
高野さんの2作目。
出版社からアマゾンのガイドブックを依頼されたが「ふつうに旅行案内を書いているつもりなのだが…いつの間にか旅行記になって」というのが笑える。
「原稿を見た出版社側は驚愕した」そうですが、社長が太っ腹で刊行されましたが、全く売れなかったとか。
とはいえさすがは高野さん、読ませます。
特に別ルートをたどった友人がコロンビアで有金を盗まれ、行商人としてアマゾンにたどり着くのもスゴイ。
高野秀行「西南シルクロードは密林に消える」講談社文庫
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中国四川省の成都を出発し、ビルマ北部を通って、最後にはインドへ
――幻の西南シルクロードに挑む著者の前には、圧倒的なジャングルと反政府少数民族ゲリラの支配する世界屈指の秘境がたちふさがっていた。
混迷と困難を極める旅なのに、これほど笑えるのはなぜか。究極のエンタメ・ノンフィクションついに登場。
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「アヘン王国体験記」の次の本、前作とちょっと似ていて、高野さんはビルマの反政府ゲリラを頼り中国からビルマを通ってインドに出る西南シルクロードをたどります。
最初は車で移動する想定で革靴だったという、、
むろんそううまくはいかなくてほぼ全行程を歩きと船で移動します。
しかも中国・ビルマ国境は密出国状態。
ビルマ反政府ゲリラの別の組織の助けを借りて何とかインドに入りますが、、
インド政府に出頭しますが、結局国外退去に。
高野さんは大丈夫だと思っていたのですが、後にインドに入国しようとしてこの時の密入国の罪でインドには入れなくなります。
高野秀行「巨流アマゾンを遡れ」集英社文庫
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河口から最長源流までなんと6770km。早大探検部出身の著者が、ピラニアを釣りワニを狩り、麻薬売人と親交を深めつつ船で河を遡行。
アマゾン最初の一滴を目指す傑作紀行4か月。
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高野さんの2作目。
出版社からアマゾンのガイドブックを依頼されたが「ふつうに旅行案内を書いているつもりなのだが…いつの間にか旅行記になって」というのが笑える。
「原稿を見た出版社側は驚愕した」そうですが、社長が太っ腹で刊行されましたが、全く売れなかったとか。
とはいえさすがは高野さん、読ませます。
特に別ルートをたどった友人がコロンビアで有金を盗まれ、行商人としてアマゾンにたどり着くのもスゴイ。
彷徨える艦隊13 戦艦ウォースパイト [本]
ジャック・キャンベル「彷徨える艦隊13 戦艦ウォースパイト」ハヤカワ文庫SF
------------
ギアリーと星系同盟(アライアンス)艦隊は、人類の支配宙域の辺縁のミッドウェイ星系にいた。
ここでの任務が完了しだい、リーセルツ大使率いる使節団とともにダンサー族の宙域へと出発する。
だが、そこへ赴くには人類に敵対的な“謎の種族”の支配宙域を通過する必要がある。
果たして、出発したギアリーたちを謎の種族の艦の大群が待ちかまえていた!
そのうえ、ギアリーの命を狙う陰謀分子が、艦隊内部にも潜入していると判明するが!?
------------
ジャック・キャンベルの彷徨える艦隊シリーズの最新刊です。このシリーズは面白い。
戦闘に破れ100年間冷凍睡眠していた主人公が艦隊の指揮を取る事になります。
100年の間にハードは進歩していますが、戦術や戦略のノウハウが失われていて、主人公はその知識で連戦連勝します。
異星人が登場した第2部はちょっとスタートレックみたいです。
この巻は第3部の2作目。相変わらず面白い。
敵対する“謎の種族”との戦闘。また新しい異星人が登場します。
とても面白かったので、早く続きを出して欲しいです。
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ギアリーと星系同盟(アライアンス)艦隊は、人類の支配宙域の辺縁のミッドウェイ星系にいた。
ここでの任務が完了しだい、リーセルツ大使率いる使節団とともにダンサー族の宙域へと出発する。
だが、そこへ赴くには人類に敵対的な“謎の種族”の支配宙域を通過する必要がある。
果たして、出発したギアリーたちを謎の種族の艦の大群が待ちかまえていた!
そのうえ、ギアリーの命を狙う陰謀分子が、艦隊内部にも潜入していると判明するが!?
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ジャック・キャンベルの彷徨える艦隊シリーズの最新刊です。このシリーズは面白い。
戦闘に破れ100年間冷凍睡眠していた主人公が艦隊の指揮を取る事になります。
100年の間にハードは進歩していますが、戦術や戦略のノウハウが失われていて、主人公はその知識で連戦連勝します。
異星人が登場した第2部はちょっとスタートレックみたいです。
この巻は第3部の2作目。相変わらず面白い。
敵対する“謎の種族”との戦闘。また新しい異星人が登場します。
とても面白かったので、早く続きを出して欲しいです。
冬期限定ボンボンショコラ事件 [本]
米澤穂信「冬期限定ボンボンショコラ事件」創元推理文庫
------------
小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。
目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。
翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。
小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。
------------
米澤穂信さんのアニメ化、コミック化もされた小市民シリーズ4作目です。
2004年に刊行された「春期限定いちごタルト事件」から夏、秋と出て冬編が刊行されました。
秋編から15年。
その間に米澤さんは直木賞はじめ様々な賞を受賞されています。
本編はまさに二人の出会いから卒業まじかまでを描いて読み応えがありました。
大学編はあるのかな?面白かったです。
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小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。
目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。
翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。
小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。
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米澤穂信さんのアニメ化、コミック化もされた小市民シリーズ4作目です。
2004年に刊行された「春期限定いちごタルト事件」から夏、秋と出て冬編が刊行されました。
秋編から15年。
その間に米澤さんは直木賞はじめ様々な賞を受賞されています。
本編はまさに二人の出会いから卒業まじかまでを描いて読み応えがありました。
大学編はあるのかな?面白かったです。
冬期限定ボンボンショコラ事件 〈小市民〉シリーズ (創元推理文庫)
- 作者: 米澤 穂信
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2024/04/30
- メディア: Kindle版
語学の天才まで1億光年 [本]
高野秀行「語学の天才まで1億光年」集英社インターナショナル
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学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。
自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。
さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。
そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。
『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。
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高野秀行さんの語学に関する本です。
辺境に行く時にまず現地の語学を学ぶという高野さん。
語学に関する苦労話が面白い。
また、高野さんの今までの作品の舞台裏も明かされます。
そういう意味では高野作品のファンにはたまらなく楽しい。
やっぱり高野さんの本は面白いです。
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学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。
自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。
さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。
そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。
『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。
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高野秀行さんの語学に関する本です。
辺境に行く時にまず現地の語学を学ぶという高野さん。
語学に関する苦労話が面白い。
また、高野さんの今までの作品の舞台裏も明かされます。
そういう意味では高野作品のファンにはたまらなく楽しい。
やっぱり高野さんの本は面白いです。
鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折 [本]
春日太一「鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折」文藝春秋
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”全身脚本家”驚愕の真実!
『羅生門』、『七人の侍』、『私は貝になりたい』、『白い巨塔』、『日本のいちばん長い日』、『日本沈没』、『砂の器』、『八甲田山』、『八つ墓村』、『幻の湖』など、歴史的傑作、怪作のシナリオを生み出した、日本を代表する脚本家・橋本忍の決定版評伝。
著者が生前に行った十数時間にわたるインタビューと、関係者への取材、創作ノートをはじめ遺族から託された膨大な資料をもとに、その破天荒な映画人の「真実」に迫る。全480ページ。
第55回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作
------------
春日太一さんが生前に行ったインタビュー、関係者への取材、遺族から託された資料を元に書いた脚本家・橋本忍の評伝です。
これは面白かった。春日さんはまだ若いのに日本映画に関する数々の著作を世に出していますが、これが一番の傑作ではないかと思います。
何から書いていいか迷うくらい盛りだくさんですが、まず橋本忍の創作に関する「複眼の映像」に結構記憶違いがあるという指摘にびっくり。
関係者の取材でその点を明らかにしていきます。
そのため作品の成立についてもこちらが真実に近いと思わせます。
個人的に一番面白かったのは自身のシナリオ「砂の器」「八甲田山」が映画会社での制作が難航しているため橋本プロを作り制作した裏にあった話。
「人間革命」のシナリオを書いて、原作者の池田大作の信頼を得た事から、「砂の器」「八甲田山」の前売券を創価学会系の民音で売る事ができます。
会長の後押しもあって聖教新聞でも特集を組みます。
これがヒットの布石だった訳です。
春日さんはそこまで書いていませんが、もしかすると橋本さんは「人間革命」のシナリオを引き受けた時から構想していたのかも。
そして挫折とは「幻の湖」の興行的失敗です。
春日さんは創作ノートなどで失敗の原因を探りますが、これはやはり謎が残ります。
個人的には失敗するべきして失敗したのかと思いますが。
とにかく面白い本でした。
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”全身脚本家”驚愕の真実!
『羅生門』、『七人の侍』、『私は貝になりたい』、『白い巨塔』、『日本のいちばん長い日』、『日本沈没』、『砂の器』、『八甲田山』、『八つ墓村』、『幻の湖』など、歴史的傑作、怪作のシナリオを生み出した、日本を代表する脚本家・橋本忍の決定版評伝。
著者が生前に行った十数時間にわたるインタビューと、関係者への取材、創作ノートをはじめ遺族から託された膨大な資料をもとに、その破天荒な映画人の「真実」に迫る。全480ページ。
第55回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作
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春日太一さんが生前に行ったインタビュー、関係者への取材、遺族から託された資料を元に書いた脚本家・橋本忍の評伝です。
これは面白かった。春日さんはまだ若いのに日本映画に関する数々の著作を世に出していますが、これが一番の傑作ではないかと思います。
何から書いていいか迷うくらい盛りだくさんですが、まず橋本忍の創作に関する「複眼の映像」に結構記憶違いがあるという指摘にびっくり。
関係者の取材でその点を明らかにしていきます。
そのため作品の成立についてもこちらが真実に近いと思わせます。
個人的に一番面白かったのは自身のシナリオ「砂の器」「八甲田山」が映画会社での制作が難航しているため橋本プロを作り制作した裏にあった話。
「人間革命」のシナリオを書いて、原作者の池田大作の信頼を得た事から、「砂の器」「八甲田山」の前売券を創価学会系の民音で売る事ができます。
会長の後押しもあって聖教新聞でも特集を組みます。
これがヒットの布石だった訳です。
春日さんはそこまで書いていませんが、もしかすると橋本さんは「人間革命」のシナリオを引き受けた時から構想していたのかも。
そして挫折とは「幻の湖」の興行的失敗です。
春日さんは創作ノートなどで失敗の原因を探りますが、これはやはり謎が残ります。
個人的には失敗するべきして失敗したのかと思いますが。
とにかく面白い本でした。
日本映画 隠れた名作 - 昭和30年代前後 [本]
川本三郎、筒井清忠「日本映画 隠れた名作 - 昭和30年代前後」中公選書 読みました。
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映画の黄金時代に公開された作品で、作劇法に本当の力と誠実性が備わっているにもかかわらず忘れられた名作と監督。
ふたりの達人の見識眼がいまその意味を甦らせる。
------------
川本三郎、筒井清忠さんが昭和30年代前後を中心にあまり今は有名でない監督を取り上げた本です。
本作は愛読している「お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法」で教えてもらいました。
http://otanocinema.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-3079cd.html
とても面白い本ですが、上記のサイトで書いている様に残念な間違いがあります。
以下は引用
「33ページに川本さんの発言で、「(東映は)あの頃はマキノ雅弘がほとんど製作主任でしょう。
マキノは右も左もない人で、『おれは映画党だ』って言っている」「中国から帰って来た内田吐夢に『血槍富士』を作らせたりした」「今井正もそう。彼も東宝にいられなくなり、東映が引き入れた」…とありますが、これはマキノ雅弘ではなく、雅弘の弟のマキノ光雄の誤りです。
マキノ雅弘はご承知のように戦前から活躍していた映画監督で、1952年以降は東宝、日活、東映など各社を渡り歩いて監督作品を作っており、東映で製作主任をやった経験はありません。」
マキノ雅弘は有名ですが、マキノ光雄はご存知の方がどれほどいるのか。
マキノ光雄については割と最近読んだ伊藤彰彦「仁義なきヤクザ映画史」に割と詳しく書かれていました。
それで知っていた様なものです。
マキノ光雄は東映の専務で48才で亡くなっているのでもう少し長生きしていれば東映の社長になっていたと言われています。
本作でとりあげられた監督は不勉強でほとんで見ていません
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映画の黄金時代に公開された作品で、作劇法に本当の力と誠実性が備わっているにもかかわらず忘れられた名作と監督。
ふたりの達人の見識眼がいまその意味を甦らせる。
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川本三郎、筒井清忠さんが昭和30年代前後を中心にあまり今は有名でない監督を取り上げた本です。
本作は愛読している「お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法」で教えてもらいました。
http://otanocinema.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-3079cd.html
とても面白い本ですが、上記のサイトで書いている様に残念な間違いがあります。
以下は引用
「33ページに川本さんの発言で、「(東映は)あの頃はマキノ雅弘がほとんど製作主任でしょう。
マキノは右も左もない人で、『おれは映画党だ』って言っている」「中国から帰って来た内田吐夢に『血槍富士』を作らせたりした」「今井正もそう。彼も東宝にいられなくなり、東映が引き入れた」…とありますが、これはマキノ雅弘ではなく、雅弘の弟のマキノ光雄の誤りです。
マキノ雅弘はご承知のように戦前から活躍していた映画監督で、1952年以降は東宝、日活、東映など各社を渡り歩いて監督作品を作っており、東映で製作主任をやった経験はありません。」
マキノ雅弘は有名ですが、マキノ光雄はご存知の方がどれほどいるのか。
マキノ光雄については割と最近読んだ伊藤彰彦「仁義なきヤクザ映画史」に割と詳しく書かれていました。
それで知っていた様なものです。
マキノ光雄は東映の専務で48才で亡くなっているのでもう少し長生きしていれば東映の社長になっていたと言われています。
本作でとりあげられた監督は不勉強でほとんで見ていません
清少納言を求めて、フィンランドから京都へ [本]
ミア・カンキマキ、末延弘子訳「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」草思社 読みました。
------------
遠い平安朝に生きた憧れの女性「セイ」を追いかけて、ヘルシンキから京都、ロンドン、プーケットを旅する長編エッセイ。
仕事にも人生にもうんざりしたアラフォーシングルのフィンランド人「私」は、長期休暇制度を使って日本へ旅立つ。
目的は「清少納言を研究する」ため――。
うだるような京都の夏の暑さ、ゴキブリだらけの「ガイジンハウス」、同居人たちとのドタバタ劇、博物館や図書館での資料探し、東日本大震災による精神的混乱、深夜のバーでの友との語らい、この世のものとは思えないほど美しい桜、女性が生きていくことの困難さ……。
新しい人生へと旅立つ期待と不安を、鮮烈に描いたデビュー作!
------------
フィンランド女性が清少納言を研究するために来日した日々を描いたエッセイです。
この本を読んだ経緯はちょっと珍しいです。
大体、書評(新聞、雑誌、Webなど)で気になった本か、必ず読んでいる作家の新作を予約して読んでいます。
この本は良く行く図書館で新作の棚にありました。
何となく借りた理由は二つ。
最近、フィンランドのカウリスマキ監督の映画をたくさん見てフィンランドに親しみがあった事。
紫式部主人公の大河ドラマでファーストサマーウィカ演じる清少納言が魅力的だった事。
ですが、読んで正解でした。面白かったです。
清少納言を追い求めた作者の結論は興味のある人には読んで確認してもらいたいですが。
もしかすると大河と同じ?楽しみです。
------------
遠い平安朝に生きた憧れの女性「セイ」を追いかけて、ヘルシンキから京都、ロンドン、プーケットを旅する長編エッセイ。
仕事にも人生にもうんざりしたアラフォーシングルのフィンランド人「私」は、長期休暇制度を使って日本へ旅立つ。
目的は「清少納言を研究する」ため――。
うだるような京都の夏の暑さ、ゴキブリだらけの「ガイジンハウス」、同居人たちとのドタバタ劇、博物館や図書館での資料探し、東日本大震災による精神的混乱、深夜のバーでの友との語らい、この世のものとは思えないほど美しい桜、女性が生きていくことの困難さ……。
新しい人生へと旅立つ期待と不安を、鮮烈に描いたデビュー作!
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フィンランド女性が清少納言を研究するために来日した日々を描いたエッセイです。
この本を読んだ経緯はちょっと珍しいです。
大体、書評(新聞、雑誌、Webなど)で気になった本か、必ず読んでいる作家の新作を予約して読んでいます。
この本は良く行く図書館で新作の棚にありました。
何となく借りた理由は二つ。
最近、フィンランドのカウリスマキ監督の映画をたくさん見てフィンランドに親しみがあった事。
紫式部主人公の大河ドラマでファーストサマーウィカ演じる清少納言が魅力的だった事。
ですが、読んで正解でした。面白かったです。
清少納言を追い求めた作者の結論は興味のある人には読んで確認してもらいたいですが。
もしかすると大河と同じ?楽しみです。
和菓子のアンソロジー/笑いの正解 東京喜劇と伊東四朗 [本]
「坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー」光文社
------------
「和菓子をモチーフに忘れがたい作品を」というリクエストに応えてくれたのは、
小川一水、木地雅映子、北村薫、近藤史恵、柴田よしき、日明恩、恒川光太郎、畠中恵、牧野修の各氏。
坂木さんの新作ももちろん収録。
------------
自身も和菓子をテーマにした作品を書いている坂木司さんが、和菓子をテーマに編纂したアンソロジーです。
ファンの小川一水、北村薫さんの作品に期待していましたが、どの作品も面白かったです。
小川一水さんはなんと近未来SF、地球温暖化で滅びかけている日本が舞台です。
和菓子がどうからむかは意外。
北村薫さんはいかにも北村さんらしい話でした。
笹山敬輔「笑いの正解 東京喜劇と伊東四朗」文藝春秋
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伊東四朗、笑って笑って66年!
粋にして骨太、スマートにして軽妙。てんぷくトリオ、電線音頭、笑ゥせぇるすまんから「おしん」の父親、白河法皇まで。
当代一の喜劇役者・伊東四朗の「むかし・いま・これから」を約百年に亘る“東京喜劇史”を軸に鮮やかに描き出す本格的評伝。
「喜劇にはあらゆる役が登場します。二枚目から老け役、女形、それこそ動物の役まで。
喜劇をやっていれば、どんな役が来ても驚かなくなりますよ。
だから私は、喜劇ができればどんな役でもできると思っているんです」
------------
笹山敬輔さんの伊東四朗の評伝です。これは面白かった。
笹山さんの本は「ドリフターズとその時代」「昭和芸人 七人の最期」も読みましたがどちらも読みごたえありました。
笹山さん1979年生まれでお若いのですが、喜劇に関しては良く調べて書いてますね。
実は伊東四朗さんは昔からファンで良く見ていました。
さすがにてんぷくトリオはそれほど見ていませんが。
あまり演劇は見ないのですが、かなり前に伊東四朗さんと三宅裕司さんの舞台は弟と見ています。
弟が伊東さんの舞台を見たいと言ったのでチケットを取りました。楽しかったです。
てんぷくトリオ、電線音頭、小松正夫とのコンビ、俳優として、そして三宅裕司や三谷幸喜との仕事まで書いて読み応えありました。
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「和菓子をモチーフに忘れがたい作品を」というリクエストに応えてくれたのは、
小川一水、木地雅映子、北村薫、近藤史恵、柴田よしき、日明恩、恒川光太郎、畠中恵、牧野修の各氏。
坂木さんの新作ももちろん収録。
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自身も和菓子をテーマにした作品を書いている坂木司さんが、和菓子をテーマに編纂したアンソロジーです。
ファンの小川一水、北村薫さんの作品に期待していましたが、どの作品も面白かったです。
小川一水さんはなんと近未来SF、地球温暖化で滅びかけている日本が舞台です。
和菓子がどうからむかは意外。
北村薫さんはいかにも北村さんらしい話でした。
笹山敬輔「笑いの正解 東京喜劇と伊東四朗」文藝春秋
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伊東四朗、笑って笑って66年!
粋にして骨太、スマートにして軽妙。てんぷくトリオ、電線音頭、笑ゥせぇるすまんから「おしん」の父親、白河法皇まで。
当代一の喜劇役者・伊東四朗の「むかし・いま・これから」を約百年に亘る“東京喜劇史”を軸に鮮やかに描き出す本格的評伝。
「喜劇にはあらゆる役が登場します。二枚目から老け役、女形、それこそ動物の役まで。
喜劇をやっていれば、どんな役が来ても驚かなくなりますよ。
だから私は、喜劇ができればどんな役でもできると思っているんです」
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笹山敬輔さんの伊東四朗の評伝です。これは面白かった。
笹山さんの本は「ドリフターズとその時代」「昭和芸人 七人の最期」も読みましたがどちらも読みごたえありました。
笹山さん1979年生まれでお若いのですが、喜劇に関しては良く調べて書いてますね。
実は伊東四朗さんは昔からファンで良く見ていました。
さすがにてんぷくトリオはそれほど見ていませんが。
あまり演劇は見ないのですが、かなり前に伊東四朗さんと三宅裕司さんの舞台は弟と見ています。
弟が伊東さんの舞台を見たいと言ったのでチケットを取りました。楽しかったです。
てんぷくトリオ、電線音頭、小松正夫とのコンビ、俳優として、そして三宅裕司や三谷幸喜との仕事まで書いて読み応えありました。