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無冠の男 松方弘樹伝/漂泊の牙/相剋の森/氷結の森 [本]

松方弘樹、伊藤彰彦「無冠の男 松方弘樹伝」講談社

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じっくりと話を聞きながら、一冊の本にまとめるつもりでした。
しかし、3度目のインタビューが終わった約2ヵ月後、松方弘樹さんは突然病魔に襲われました。
およそ1年にわたる必死の闘病を続けるも、2017年1月21日に永眠・・・あまりにも突然のお別れでした。
無冠こそ我が誇り・・・・そう自負してやまない人でした。
「最後の俳優」松方弘樹のラストインタビューです。
――独自の役者道を駆け抜けた唯一無二の俳優、松方弘樹――その熱すぎる人生を、『映画の奈落』の著者・伊藤彰彦氏が活写します。
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伊藤彰彦さんが松方弘樹さんにインタビューした評伝です。
松方さん主演の「北陸代理戦争」を取り上げた『映画の奈落』をまとめた伊藤さんは松方さんの評伝に取り掛かりました。
ですが3回のインタビュー後に松方さんは病に倒れ、今年の1月に亡くなってしまいました。
「仁義なき戦い」から始まる東映実録路線は好きで松方さんの主演映画もかなり見ました。
このインタビューでは幼いころから晩年のVシネマでの苦闘まで存分に語っています。
松方さんの冥福を祈ります。


熊谷達也「漂泊の牙」集英社文庫

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雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。
現場付近では、絶滅したはずのオオカミを目撃したという噂が流れる。
果たして「犯人」は生きのびたニホンオオカミなのか?
やがて、次次と血に飢えた謎の獣による犠牲者が…。
愛妻を殺された動物学者・城島の必死の追跡が始まる。
獣と人間の壮絶な闘いを描き、第19回新田次郎文学賞を受賞した傑作冒険小説。
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熊谷達也さんの長編小説です。
東北に出没する謎の獣はニホンオオカミなのか?という謎で読ませますね。
熊谷さんらしい東北からの視点が面白いです。

熊谷達也「相剋の森」集英社文庫

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「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。
山を殺すとは何を意味するのか?人間はなぜ他の生き物を殺すのか?
果たして自然との真の共生とは可能なのか―。直木賞・山本賞受賞作『邂逅の森』に連なる「森」シリーズの第一弾。
大自然と対峙する人間たちを描いて感動を呼ぶ傑作長編。
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熊谷達也さんの森シリーズの1作目です。
2作目の『邂逅の森』から先に読んだのですが、『邂逅の森』のひ孫の世代の物語でした。
逆にこちらの主人公たちの曾祖父を描いたのが『邂逅の森』ですね。
これも熊谷さんらしい東北からの視点が面白かったです。


熊谷達也「氷結の森」集英社文庫

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日露戦争に従軍した猟師の矢一郎は故郷を離れ、樺太で過去を背負い流浪の生活を続けていた。
そんな彼を探し回る男が一人。矢一郎の死んだ妻の弟、辰治だ。
執拗に追われ矢一郎はついに国境を越える。樺太から氷結の間宮海峡を越え革命に揺れる極東ロシアへ。
時代の波に翻弄されながらも過酷な運命に立ち向かう男を描く長編冒険小説。
直木賞・山本賞ダブル受賞の『邂逅の森』に連なる“森”三部作完結編。
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熊谷達也さんの森シリーズの三部作完結編です。
日露戦争後の樺太で流浪の生活を続ける主人公の過酷な体験を描いて読ませます。
ついにはシベリアに舞台がうつりロシア革命が関わってきます。
三部作でも一番ハードな展開で面白かったです。
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