有栖川有栖「日本扇の謎」 [本]
有栖川有栖「日本扇の謎」講談社ノベルス 読みました。
------------
舞鶴の海辺の町で発見された、記憶喪失の青年。
名前も、出身地も何もかも思い出せない彼の身元を辿る手がかりは、唯一持っていた一本の「扇」だった……。
そして舞台は京都市内へうつり、謎の青年の周囲で不可解な密室殺人が発生する。
事件とともに忽然と姿を消した彼に疑念が向けられるが……。
動機も犯行方法も不明の難事件に、火村英生と有栖川有栖が捜査に乗り出す!
------------
有栖川有栖さんの最新作。火村探偵シリーズ。
舞鶴で記憶喪失の青年が発見され、やがて舞台は京都へ。
密室殺人事件が起き火村と有栖は警察に協力を求められ捜査に乗り出します。
日本扇の謎とは、、
ミステリなので展開や結末は書けませんが、真相が明らかになった時に人生の無常を感じました。
火村と有栖の推理を進めていく掛け合いがいつもながら楽しいです。
------------
舞鶴の海辺の町で発見された、記憶喪失の青年。
名前も、出身地も何もかも思い出せない彼の身元を辿る手がかりは、唯一持っていた一本の「扇」だった……。
そして舞台は京都市内へうつり、謎の青年の周囲で不可解な密室殺人が発生する。
事件とともに忽然と姿を消した彼に疑念が向けられるが……。
動機も犯行方法も不明の難事件に、火村英生と有栖川有栖が捜査に乗り出す!
------------
有栖川有栖さんの最新作。火村探偵シリーズ。
舞鶴で記憶喪失の青年が発見され、やがて舞台は京都へ。
密室殺人事件が起き火村と有栖は警察に協力を求められ捜査に乗り出します。
日本扇の謎とは、、
ミステリなので展開や結末は書けませんが、真相が明らかになった時に人生の無常を感じました。
火村と有栖の推理を進めていく掛け合いがいつもながら楽しいです。
八丁堀のおゆう 殺しの証拠は未来から [本]
山本巧次「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 殺しの証拠は未来から」宝島社文庫
------------
マンションの建設現場で約二百年前の人骨が発見された。
肋骨の一本に刺し傷のような痕があり、どうやら他殺体のものであるらしい。
骨と遺留品を鑑定した科学分析ラボの宇田川から依頼され、時空旅行者のおゆうこと関口優佳は、まだ事件化していない殺人について江戸で調査を始める。
一方、南町奉行所の同心・伝三郎からは、紙問屋の若旦那が旗本の奥方と不義密通しているという噂を聞き……。
------------
山本巧次さんの八丁堀のおゆうシリーズ11作目です。
江戸と現代の東京に抜け穴があるのは半村良「およね平吉時穴道行」みたいですが、ヒロインが現代と江戸を行き来しながら捜査するというのが面白い。
今回は珍しく事件の発端は現代、二百年前の人骨が発見されおゆうの活躍する時代の他殺らしいと思われます。
死体のある町で行方不明者を探りますが、、
相変わらず面白いです。伝三郎と宇田川の腹の探り合いはどうなるか。
続巻楽しみです。
------------
マンションの建設現場で約二百年前の人骨が発見された。
肋骨の一本に刺し傷のような痕があり、どうやら他殺体のものであるらしい。
骨と遺留品を鑑定した科学分析ラボの宇田川から依頼され、時空旅行者のおゆうこと関口優佳は、まだ事件化していない殺人について江戸で調査を始める。
一方、南町奉行所の同心・伝三郎からは、紙問屋の若旦那が旗本の奥方と不義密通しているという噂を聞き……。
------------
山本巧次さんの八丁堀のおゆうシリーズ11作目です。
江戸と現代の東京に抜け穴があるのは半村良「およね平吉時穴道行」みたいですが、ヒロインが現代と江戸を行き来しながら捜査するというのが面白い。
今回は珍しく事件の発端は現代、二百年前の人骨が発見されおゆうの活躍する時代の他殺らしいと思われます。
死体のある町で行方不明者を探りますが、、
相変わらず面白いです。伝三郎と宇田川の腹の探り合いはどうなるか。
続巻楽しみです。
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 殺しの証拠は未来から (宝島社文庫)
- 作者: 山本 巧次
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2024/11/06
- メディア: 文庫
春日太一「ヒット映画の裏に職人あり!」 [本]
春日太一「ヒット映画の裏に職人あり!」小学館新書
------------
映像制作を支えるスゴ腕裏方の技術と情熱
近年に大ヒットした映画やテレビドラマには、実は重要な役割を果たしているディテールがある。
裏方として映像制作を支えるスタッフたちは、いかにしてそれを創り上げ、ヒットに導いたのか。
VFX、音響、殺陣、特殊メイクなどを担う“職人”12人の技術と情熱を知れば、映像鑑賞がもっと面白くなる!
------------
春日太一さんの新刊です。これは面白かった。
日本映画の旧作に関する著書が多い春日さんですが、本作は今の邦画やドラマを支えるスタッフに取材した本です。
そのため今の映画に関する話が多いです。
個人的に印象に残ったのは鉄道具制作の大澤克俊さん。
『ゴジラ -1.0』の震電、『永遠の0』の零戦を作った人です。
鉄道具制作とは大道具ならぬ鉄道具を作る事から名乗っているとか。
他には特殊メイクアップアーティストの江川悦子さん、VFXディレクターの白石哲也さん、役馬調教・馬術指導 田中光法さん、キャスティング・ディレクターの奈良橋陽子さんが印象に残りました。
------------
映像制作を支えるスゴ腕裏方の技術と情熱
近年に大ヒットした映画やテレビドラマには、実は重要な役割を果たしているディテールがある。
裏方として映像制作を支えるスタッフたちは、いかにしてそれを創り上げ、ヒットに導いたのか。
VFX、音響、殺陣、特殊メイクなどを担う“職人”12人の技術と情熱を知れば、映像鑑賞がもっと面白くなる!
------------
春日太一さんの新刊です。これは面白かった。
日本映画の旧作に関する著書が多い春日さんですが、本作は今の邦画やドラマを支えるスタッフに取材した本です。
そのため今の映画に関する話が多いです。
個人的に印象に残ったのは鉄道具制作の大澤克俊さん。
『ゴジラ -1.0』の震電、『永遠の0』の零戦を作った人です。
鉄道具制作とは大道具ならぬ鉄道具を作る事から名乗っているとか。
他には特殊メイクアップアーティストの江川悦子さん、VFXディレクターの白石哲也さん、役馬調教・馬術指導 田中光法さん、キャスティング・ディレクターの奈良橋陽子さんが印象に残りました。
甘いものには棘がある [本]
山本巧次「奥様姫様捕物綴り(一)甘いものには棘がある」双葉文庫
------------
美濃御丈藩藩主の正室・彩智は美貌のうえ、剣の腕も天下一品。
好奇心も人一倍旺盛で、娘の佳奈を巻き込んで、いろんなことに首を突っ込むのが得意だ。
そんな折、御丈藩出入りの菓子舗・満月堂の羊羹を食べて体調が悪くなる人間が続出する事件が起こる。
さらに、懇意にしている常陸谷原藩の側室・初音までも、満月堂の菓子を食べて具合が悪くなったと聞いた彩智は、佳奈とともに持ち前の好奇心で事件の真相を調べ始める。
奥方と姫様が手を組んで難事件を解決する新シリーズ開幕!
------------
「八丁堀のおゆう」の山本巧次さんの新作です。
剣の達人の藩主の正室と娘の二人が事件の真相を探ります。
ちょっと往年の東映時代劇みたいな感じもありますが、女性が剣の達人で行動的なのは今風か。
若侍が二人に振り回されるのも現代的ですね。
色々あって真相を推理するのは娘の方。
映像化するならは若侍は神木隆之介、姫は浜辺美波というのもいいかも。
楽しく読んだので続編も楽しみです。
------------
美濃御丈藩藩主の正室・彩智は美貌のうえ、剣の腕も天下一品。
好奇心も人一倍旺盛で、娘の佳奈を巻き込んで、いろんなことに首を突っ込むのが得意だ。
そんな折、御丈藩出入りの菓子舗・満月堂の羊羹を食べて体調が悪くなる人間が続出する事件が起こる。
さらに、懇意にしている常陸谷原藩の側室・初音までも、満月堂の菓子を食べて具合が悪くなったと聞いた彩智は、佳奈とともに持ち前の好奇心で事件の真相を調べ始める。
奥方と姫様が手を組んで難事件を解決する新シリーズ開幕!
------------
「八丁堀のおゆう」の山本巧次さんの新作です。
剣の達人の藩主の正室と娘の二人が事件の真相を探ります。
ちょっと往年の東映時代劇みたいな感じもありますが、女性が剣の達人で行動的なのは今風か。
若侍が二人に振り回されるのも現代的ですね。
色々あって真相を推理するのは娘の方。
映像化するならは若侍は神木隆之介、姫は浜辺美波というのもいいかも。
楽しく読んだので続編も楽しみです。
奥様姫様捕物綴り : 1 甘いものには棘がある (双葉文庫)
- 作者: 山本巧次
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2024/07/10
- メディア: Kindle版
つげ義春が語る マンガと貧乏 [本]
つげ義春「つげ義春が語る マンガと貧乏」筑摩書房
------------
画業70年 マンガ家、つげ義春の過去50年間の発言からマンガ家人生をたどる
マンガ家生活の現実、幻の作品構想、伝説となった名作群、創作の舞台裏、そのすべてがわかる!
「その頃は、画かないと食えないのに、画けなくて、ですからマンガをやめようと思って、履歴書を持って、ウロチョロしたりして……」「自分の場合は、描くことによって、未熟な心の何かを模索していたのかもしれない。これじゃ、娯楽の世界に通用しないよね」
【登場する対話者】
梶井純、高野慎三、林静一、菅野修、佐野史郎、桜井昌一、辰巳ヨシヒロ……。ほかインタビューを多数収録。
------------
マンガ家のつげ義春さんの対談集です。
つげ義春さんのマンガはそれほど読んでないのですが、最近、友人に短編集を何冊か借りて読んだのでこの対談集は面白く読みました。
友人に感謝。
日々の生活からマンガや貧乏時代の話まで読ませます。
どの対談も面白いですが、佐野史郎や桜井昌一、辰巳ヨシヒロとの対談が面白かったかな。
------------
画業70年 マンガ家、つげ義春の過去50年間の発言からマンガ家人生をたどる
マンガ家生活の現実、幻の作品構想、伝説となった名作群、創作の舞台裏、そのすべてがわかる!
「その頃は、画かないと食えないのに、画けなくて、ですからマンガをやめようと思って、履歴書を持って、ウロチョロしたりして……」「自分の場合は、描くことによって、未熟な心の何かを模索していたのかもしれない。これじゃ、娯楽の世界に通用しないよね」
【登場する対話者】
梶井純、高野慎三、林静一、菅野修、佐野史郎、桜井昌一、辰巳ヨシヒロ……。ほかインタビューを多数収録。
------------
マンガ家のつげ義春さんの対談集です。
つげ義春さんのマンガはそれほど読んでないのですが、最近、友人に短編集を何冊か借りて読んだのでこの対談集は面白く読みました。
友人に感謝。
日々の生活からマンガや貧乏時代の話まで読ませます。
どの対談も面白いですが、佐野史郎や桜井昌一、辰巳ヨシヒロとの対談が面白かったかな。
海洋堂創世記 [本]
樫原辰郎「海洋堂創世記」白水社
------------
海洋堂公認!
『1Q84』とも『あまちゃん』とも違う狂熱の80年代が、ナショナル・パナソニックの企業城下町で、日夜、繰り広げられていた!
大阪芸術大学に通う〈僕〉が足を踏み入れた、狭い路地の奥の倉庫。
まさしくそこが模型づくりの聖地であり、総本山であり、梁山泊である海洋堂だった。
そこで、〈僕〉は、館長や専務、ボーメさんら原型師たちとともに、疾風怒濤の日々を過ごしてゆく──。
------------
樫原辰郎さんがかってバイトしていた海洋堂を久々に尋ねる所から始まり、回想となります。
有名な館長、専務、ボーメさんら原型師と出会っての日々が描かれます。
ほとんど全員が存命というのが凄い。
海洋堂のライバルとして、ゼネプロ(後のガイナックス)が登場しますが、海洋堂はオタキングこと岡田斗司夫に蔑視され敵視していたというのが興味深い。
個人的には後にアニメなどの作り手に回る構想のあったゼネプロは海洋堂をしょせん模型屋と思っていたのかな。
ゼネプロがダイコンフィルムで作り手になってからは敵対関係も薄れたとか。
やはりボーメさんら原型師たちの個性的な描写が面白い。
最後は現在に戻ってその後が語られます。
樫原さんは海洋堂を去り上京し、映画監督、脚本家、文筆家として活躍しているそうです。
------------
海洋堂公認!
『1Q84』とも『あまちゃん』とも違う狂熱の80年代が、ナショナル・パナソニックの企業城下町で、日夜、繰り広げられていた!
大阪芸術大学に通う〈僕〉が足を踏み入れた、狭い路地の奥の倉庫。
まさしくそこが模型づくりの聖地であり、総本山であり、梁山泊である海洋堂だった。
そこで、〈僕〉は、館長や専務、ボーメさんら原型師たちとともに、疾風怒濤の日々を過ごしてゆく──。
------------
樫原辰郎さんがかってバイトしていた海洋堂を久々に尋ねる所から始まり、回想となります。
有名な館長、専務、ボーメさんら原型師と出会っての日々が描かれます。
ほとんど全員が存命というのが凄い。
海洋堂のライバルとして、ゼネプロ(後のガイナックス)が登場しますが、海洋堂はオタキングこと岡田斗司夫に蔑視され敵視していたというのが興味深い。
個人的には後にアニメなどの作り手に回る構想のあったゼネプロは海洋堂をしょせん模型屋と思っていたのかな。
ゼネプロがダイコンフィルムで作り手になってからは敵対関係も薄れたとか。
やはりボーメさんら原型師たちの個性的な描写が面白い。
最後は現在に戻ってその後が語られます。
樫原さんは海洋堂を去り上京し、映画監督、脚本家、文筆家として活躍しているそうです。
三谷幸喜 創作の謎 [本]
三谷幸喜、松野大介「三谷幸喜 創作の謎」講談社
------------
大ヒットしたNHK大河ドラマの傑作『鎌倉殿の13人』から、脚本・監督を務めた最新作『スオミの話をしよう』まで、当代随一の喜劇作家が明かす「物語作り」の秘密――。
------------
三谷幸喜さんが元ABブラザーズで作家の松野大介さんと作品について語った本、2冊目。
文庫化もされた「三谷幸喜 創作を語る」は「古畑任三郎」から「清須会議」までが語られていました。
今回は「真田丸」「鎌倉殿の13人」から最新作「スオミの話をしよう」まで。
裏話が面白いです。「真田丸」の長澤まさみさんの役は本人が「樹木希林」さんの様な役をやりたいと言ったとか。
だから役名はきりなんですね。
「ギャラクシー街道」がなぜ失敗したかという話もあります。
------------
大ヒットしたNHK大河ドラマの傑作『鎌倉殿の13人』から、脚本・監督を務めた最新作『スオミの話をしよう』まで、当代随一の喜劇作家が明かす「物語作り」の秘密――。
------------
三谷幸喜さんが元ABブラザーズで作家の松野大介さんと作品について語った本、2冊目。
文庫化もされた「三谷幸喜 創作を語る」は「古畑任三郎」から「清須会議」までが語られていました。
今回は「真田丸」「鎌倉殿の13人」から最新作「スオミの話をしよう」まで。
裏話が面白いです。「真田丸」の長澤まさみさんの役は本人が「樹木希林」さんの様な役をやりたいと言ったとか。
だから役名はきりなんですね。
「ギャラクシー街道」がなぜ失敗したかという話もあります。
体験的女優論 [本]
鈴木敏夫「体験的女優論」河出書房新社
------------
スタジオジブリの名プロデューサーによる映画エッセイ。
大原麗子、風吹ジュンから、梶芽衣子、緑魔子など、無類の映画好きが見た映画と女優の魅力が満載。
ジブリ映画製作の裏側も。
------------
鈴木敏夫さんの女優に関するエッセイ。面白かったです。
鈴木さんは元アサヒ芸能の記者。
梶芽衣子さんに始まり体験的に見た映画女優について縦横に語っています。
入口は女優論ですが、そこから監督論、脚本家論も。
とにかくたくさん見ているのに圧倒されます。
大原麗子の代表作として市川崑監督のサントリーのCMをあげているのも納得。
神代辰巳監督の話も長いですが、今村昇平、山田太一などなども語っています。
高畑監督や宮﨑監督との映画作りで見た映画を生かしたという裏話も。
------------
スタジオジブリの名プロデューサーによる映画エッセイ。
大原麗子、風吹ジュンから、梶芽衣子、緑魔子など、無類の映画好きが見た映画と女優の魅力が満載。
ジブリ映画製作の裏側も。
------------
鈴木敏夫さんの女優に関するエッセイ。面白かったです。
鈴木さんは元アサヒ芸能の記者。
梶芽衣子さんに始まり体験的に見た映画女優について縦横に語っています。
入口は女優論ですが、そこから監督論、脚本家論も。
とにかくたくさん見ているのに圧倒されます。
大原麗子の代表作として市川崑監督のサントリーのCMをあげているのも納得。
神代辰巳監督の話も長いですが、今村昇平、山田太一などなども語っています。
高畑監督や宮﨑監督との映画作りで見た映画を生かしたという裏話も。
虚の伽藍 [本]
月村了衛「虚の伽藍」新潮社
------------
日本仏教の最大宗派・燈念寺派。
弱者の救済を志す若き僧侶・志方凌玄がバブル期の京都で目にしたのは、暴力団、フィクサー、財界重鎮に市役所職員……古都の金脈に群がる魑魅魍魎だった。
腐敗した燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に身を投じる凌玄だが、金にまみれた求道の果てに待っていたのは――。
人間の核心に迫る圧巻の社会派巨編。
------------
月村了衛さんの新作です。これは面白かったです。
京都の仏教の闇を描いて一気に読ませました。
やくざ、フィクサー、僧侶が入り乱れて暗闘します。
月村さんの代表作「機龍警察」の最新作で敵役が京都の闇を代表する人物だったのでその取材の成果なのかも。
お勧めです。
------------
日本仏教の最大宗派・燈念寺派。
弱者の救済を志す若き僧侶・志方凌玄がバブル期の京都で目にしたのは、暴力団、フィクサー、財界重鎮に市役所職員……古都の金脈に群がる魑魅魍魎だった。
腐敗した燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に身を投じる凌玄だが、金にまみれた求道の果てに待っていたのは――。
人間の核心に迫る圧巻の社会派巨編。
------------
月村了衛さんの新作です。これは面白かったです。
京都の仏教の闇を描いて一気に読ませました。
やくざ、フィクサー、僧侶が入り乱れて暗闘します。
月村さんの代表作「機龍警察」の最新作で敵役が京都の闇を代表する人物だったのでその取材の成果なのかも。
お勧めです。
山本巧次「蟷螂の城」 [本]
山本巧次「蟷螂の城 定廻り同心 新九郎、時を超える」光文社文庫
------------
江戸町奉行所の同心・瀬波新九郎は、これまで度々江戸の世界から戦国時代へとタイムスリップさせられ、行った先で難題を解決してきた。
久しぶりにゆったりとして日々を送っていた新九郎は、志津との祝言に向けて思いを募らせていた。
と、そこに、急遽、問題が持ち上がる。
志津の父・上谷畿三郎は作事奉行の下吏を務めているが、畿三郎の持つ脇差に入っている家紋が不届きだと讒言を受け、謹慎させられてしまったのだ。
もはや祝言を行うどころではない。
そこで、言いがかりをつけたと思しき人物の周辺を調べることにしたのだが、そんな折に、またも時空を飛び越えてしまった。
辿りついた先は、なんと関ヶ原の合戦直後の戦場近くの場所だった……。
------------
「八丁堀のおゆう」の山本巧次さんの新作です。
二か月連続刊行された「鷹の城」「岩鼠の城」の続編の三作目。
現代と江戸時代が時穴でつながっているおゆうとは違い、江戸の同心が過去にタイムスリップします。
1作目は信長の時代、2作目は秀吉の時代で本作は関ヶ原の戦いの直後。
前作と同様、先祖の危機を救う事になります。
SFミステリとしてなかなかよく出来ています。
三部作で完結っぽいですが、続編もあれば読みたいですね。
------------
江戸町奉行所の同心・瀬波新九郎は、これまで度々江戸の世界から戦国時代へとタイムスリップさせられ、行った先で難題を解決してきた。
久しぶりにゆったりとして日々を送っていた新九郎は、志津との祝言に向けて思いを募らせていた。
と、そこに、急遽、問題が持ち上がる。
志津の父・上谷畿三郎は作事奉行の下吏を務めているが、畿三郎の持つ脇差に入っている家紋が不届きだと讒言を受け、謹慎させられてしまったのだ。
もはや祝言を行うどころではない。
そこで、言いがかりをつけたと思しき人物の周辺を調べることにしたのだが、そんな折に、またも時空を飛び越えてしまった。
辿りついた先は、なんと関ヶ原の合戦直後の戦場近くの場所だった……。
------------
「八丁堀のおゆう」の山本巧次さんの新作です。
二か月連続刊行された「鷹の城」「岩鼠の城」の続編の三作目。
現代と江戸時代が時穴でつながっているおゆうとは違い、江戸の同心が過去にタイムスリップします。
1作目は信長の時代、2作目は秀吉の時代で本作は関ヶ原の戦いの直後。
前作と同様、先祖の危機を救う事になります。
SFミステリとしてなかなかよく出来ています。
三部作で完結っぽいですが、続編もあれば読みたいですね。
蟷螂の城 定廻り同心 新九郎、時を超える (光文社文庫 や 39-3)
- 作者: 山本巧次
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2024/09/11
- メディア: 文庫