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可燃物/地図と拳 [本]

米澤穂信「可燃物」文藝春秋

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余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。
しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。
群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。
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米澤穂信さんの最新作です。初の警察小説。
天才的な捜査能力を持つ主人公の葛警部の造形がなかなか面白い。
お話は面白いのですが、警察小説という事でリアリティはあまりないかな。
ミステリ的にはありだとは思いますが。

小川哲「地図と拳」集英社

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「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。
叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。
奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。
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直木賞受賞作。これは面白かったです。
日露戦争前の時代に始まり、日露戦争、満州建国、そして戦後までを描きます。
最初から最後近くまで登場する細川というキャラクターが面白い。
600頁の分厚いハードカバーですが、意外と読みやすいです。
満州を一つの都市から描くという力業。
マジックリアリズム的小説で久々に力作を読んだと思いました。


可燃物 (文春e-book)

可燃物 (文春e-book)

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/07/25
  • メディア: Kindle版



地図と拳 (集英社文芸単行本)

地図と拳 (集英社文芸単行本)

  • 作者: 小川哲
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/06/24
  • メディア: Kindle版



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