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SFセミナー2021 [その他]

昨日、SFセミナー2021に参加しました。

前回同様とても楽しかったです。
アバウトな物ですがレポートです。
長いので興味のある人だけどうぞ。

一昨年初めて参加したSFセミナーですが、昨年はコロナで中止になりました。
今年はリモートで開催です。

2019年のレポートはこちら。
https://kisa1.blog.ss-blog.jp/2019-05-04

今年のSFセミナーの昼企画は以下です。

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オープニング 13時
企画1 「SFと倫理」 13時10分~14時10分
 出演:稲葉振一郎 長谷敏司 司会:八代嘉美
企画2 「中国SF再び」14時20分~15時50分
 出演:立原透耶 陳楸帆(スタンリー・チェン) 藤井太洋 通訳:石亀航
企画3 「怪獣動画の特異点――円城塔、ゴジラS.P〈シンギュラポイント〉を語る」16時00分~17時00分
 出演:円城塔 オキシタケヒコ
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その後、20時から合宿企画もありました。
「怪獣動画の特異点」は合宿にも参加しました。

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企画1 「SFと倫理」 13時10分~14時10分
 出演:稲葉振一郎 長谷敏司 司会:八代嘉美

SFは科学技術の発達に伴い生まれた様々な倫理的課題をとりあげ、描いてきました。
そして現在、AIをはじめとした科学技術と倫理の問題が顕在化する中、問題提起やイマジネーションの種としてSFが参照されるケースも増えています。
この企画では明治学院大学社会学部教授の稲葉振一郎さん、作家の長谷敏司さんをお迎えしてSFと倫理についてあらためて考えてみたいと思います。
とりあげるのはAIとの関係で脚光を浴びるアシモフのロボット三原則。司会は八代嘉美さんです。(文責・新井勝彦)

▼稲葉振一郎
1963年生まれ。明治学院大学社会学部教授。専門は主に社会哲学。著書に『銀河帝国は必要か? ロボットと人類の未来』(ちくまプリマー新書)、『宇宙倫理学入門』(ナカニシヤ出版)、『社会倫理学講義』(有斐閣アルマ)など多数。

▼長谷敏司
1974年生まれ。2001年『戦略拠点32098楽園』にて第6回スニーカー大賞金賞を受賞。2015年『MyHumanity』(早川書房)にて第35回日本SF大賞を受賞。現在、小学館ガガガ文庫にて『ストライクフォール』シリーズを刊行中。またアニメ化された『BEATLESS』が今夏、中国で『空匣人型』としてスマートフォン向けゲーム化、新作シナリオも手掛けている。

▼八代嘉美(司会)
1976年生まれ。神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター教授。専門は幹細胞生物学、分子生物学、科学技術社会論。
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稲葉振一郎さんと長谷敏司さんの話がは面白い。
長谷さんは人工知能学会にも参加されているとか。
稲葉さんによると日本ではロボット工学会ができなかった。
主に法律家から反対があったそうです。
長谷さんが人工知能学会に関わったのはSF大会で人工知能の専門家と話したのがきっかけだそうです。
稲葉さんが「夏への扉」を今読んでもつまらない、と発言し、八代さんがここでその発言はしない方がという一幕も。
稲葉さんは最後にカズオ・イシグロがノーベル賞を取り、なろうが売れている世界でSF作家をやっていくのは大変ですが、頑張って下さいと言われていました。

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企画2 「中国SF再び」
 出演:立原透耶 陳楸帆(スタンリー・チェン) 藤井太洋 通訳:石亀航

中国SFが本格的に日本に紹介されてきました。
2016年に陳楸帆(スタンリー・チェン)さんにご登壇いただいて、中国SFのお話を伺ってから5年、2023年には四川省の省都である成都でのワールドコン招致を行なっているところです。
前回、中国では科学に対する啓蒙としてSFが推奨されていると伺いましたが、実際に中国では宇宙進出も始めて有人ロケットも飛ばしています。
これは科学発展にSFが貢献したということでしょうか?
ワールドコンのことや中国科幻小説の今をお話いただきます。(文責:立花)

▼陈楸帆 チェン・チウファン/スタンリー・チェン
1981年生まれ。中国のSF作家。「中国のウイリアム・ギブスン」と評されており、サイバーパンクの旗手。SFセミナーのゲストとしては二回目の登場になる。日本語訳に長編『荒潮』、短編「鼠年」、「麗江の魚」、「沙嘴の花」(以上、早川書房)など。

▼立原透耶 たちはら・とうや
1969年生まれ。小説や翻訳などをする教員。中華SFの紹介に人生を捧げている。『三体』(監修)、『三体II』(共訳)、『時のきざはし』(編訳)、『人之彼岸』(共訳)、『移動迷宮』(共訳)など。

▼藤井太洋 ふじい・たいよう
SF作家。宇宙開発をWebエンジニアリングの視点で描いたテクノスリラー『オービタル・クラウド』で第35回日本SF大賞、第46回星雲賞日本長編部門を受賞。2019年にはインターネットの自由をテーマにした作品集『ハロー・ワールド』で第40回の吉川英治文学新人賞を受賞した。日本SF作家クラブの第18代会長(2015年〜2018年)を務め、現在も理事としてSFの振興に努めている。

▼石亀航 いしがめ・わたる
1980年生まれ。2011年より東京創元社勤務。翻訳業は掲載先/依頼募集中。
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陳楸帆(スタンリー・チェン)さんが一時間ほど遅れるというハプニングが発生。
その間は立原透耶さんと藤井太洋さんが中国SFの現状について色々とお話していました。
陳さんが現れたのは終了間際だったので、30分延長となりました。
中国自体の国力が凄いので、中国SFも勢いありますね。
ただ、今回も大きな話題になった「三体」を超える傑作はなかなかないのかな。

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企画3 「怪獣動画の特異点――円城塔、ゴジラS.P〈シンギュラポイント〉を語る」
 出演:円城塔 オキシタケヒコ

「怪獣動画の特異点——円城塔、ゴジラS.P〈シンギュラポイント〉を語る」

2021年4月から地上波放映開始された新作アニメ「ゴジラS.P〈シンギュラポイント〉」は、SF作家円城塔氏が設定考証・脚本をつとめるということで話題になりました。
六月、最終話までの放映が終了し、作中での科学的知見を盛り込んだ謎解き要素や壮大な終末のビジョンが大きな話題を呼び、視聴者の間では活発に考察も行われています。
今回は、設定考証・脚本をつとめられた円城塔氏とインタビュワーにSF作家オキシタケヒコ氏をお呼びして、SFファンに向けて「ゴジラS.P〈シンギュラポイント〉」の魅力を語って頂きます。(文責:茅野)

▼円城塔
1972年生まれ。SF作家。2007年「オブ・ザ・ベースボール」(第一〇四回文學界新人賞)でデビュー、のち『Self-Reference
ENGINE』(早川書房)刊行。他の著作に、「道化師の蝶」(講談社、第146回芥川龍之介賞受賞)、『文字渦』(新潮社、第39回日本SF大賞受賞)など。

▼オキシタケヒコ
1973年生まれ。SFものかき。著作は『筺底のエルピス』シリーズ(小学館ガガガ文庫)、『波の手紙が響くとき』(早川書房)、『おそれミミズク
あるいは彼岸の渡し綱』(講談社タイガ)など。
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昼企画:

監督からは最初映画「メッセージ」にしようという要望が。
円城さんからはいや、ゴジラは「メッセージ」にならないと。
怪獣は出す方向でした。最初は怪獣は出さない案もあったが、我々は押井守ではないのでと出す事になった。
押井守をやっていいのは、シリーズを何作か回した後だと思う。
時間の流れに関しては「インターステラー」も気にしていたが、あの作品が良く分からない。
円城さんがゴジラで気になったのは大きさ、1匹問題。
なぜあれほど巨大なのか。なぜ1匹しかいないのか。
ゴジラS.Pに関わっていた時期は4年間。かなり体調が悪かった。
円城さんはジェットジャガーは巨大化させなくてもいい派。
巨大化させたかったのは監督。
ただ、最後が近くなると巨大化しないとオチないと思った。
4、5才に一番評判がいいのはペロ2。
主人公が二人いて、一人は地元、一人は世界を旅するという設定はかなり最初から決まっていた。
オキシさん:話を聞くとかなり試行錯誤していますが、結果はうまくまとまっている。
ペロ2の声優さん(久野美咲)が凄かった。アドリブも多かった。
ペロ2のサンスクリット語は東京外語大の専門家にやってもらうはずだったのに声優さんがやった。
声優さんは凄い。色々助けられた。

合宿:

13話で怪獣を1体づつ倒すという案もあった。
日本だとお金がないやり方が通常なので、お金があっても切り替えられない。
好きなゴジラは?ヘドラ?
SPでもヘドラを出す案はあったんですが、あれだけ他の怪獣とリアリティのレベルが違う。
色々なゴジラ企画が走っている。ガンダムもそう。
縛りはゴジラは人間を食べてはいけない。なぜか?今はゴジラはアイドルだから。
怪獣が何を食べているかは気になります。
昔「マグロ食ってるからダメ」という話もありましたが、マグロ食わせるという案もあった。
怪獣とクリーチャーの違いは。大きさ?
SPは怪獣もののアニメとして映像はよく出来ている。
3Dと2Dのバランスがいい。結果的にお金をかけない作り方がうまくいった。
怪獣を2D(手書き)だと怖くならない。
怪獣は3D(CG)の方がいい。
楽しかったけどやっているうちに、円城さんはおれ集団作業嫌いだったなと。
脚本までやったからそれなりにお金は入ったけど、4年は長い。
SF設定だけだと100万くらい。
脚本までやったからもっともらえたけど、小説を書いていた方が収入は多かったと思う。
Netflixの脚本代は高いと言われますが、それほどでもない。他よりはちょっとは高いかな。
コアなファンはジェットジャガーは絶対に巨大化すると思っていた。
円城さんは巨大化しない方がいいと思っていた。
ゴジラがマタンゴになる案もあったが、東宝がNGだったそうです。
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きさ

SFファングループ THATTA のホームページで大野万紀さんがレポート書いています。
http://www.asahi-net.or.jp/~li7m-oon/
http://www.asahi-net.or.jp/~li7m-oon/thatta01/that399/SFseminor.htm
by きさ (2021-08-02 10:59) 

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