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押井守「勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉」 [本]

押井守「勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉」徳間書店 読みました。

「イノセンス」などの監督、押井守が映画監督の勝利条件について語ったメッタ斬り映画監督論「勝つために戦え!〈監督篇〉」の続編。
前作もそうですがこれはめちゃめちゃ面白かったです。
40代以上のSF(だけじゃないですが)映画ファンには必読ですね。

押井自身の話も結構出てきて、びっくりしつつなるほどと思ったのは、押井作品に必ず登場する「少女」について。
あれは会えなくなった前の奥さんとの間の娘さんなんだだそうです。
どこかで見てくれるかもという事だったそうで。
「スカイクロラ」の前に成人した娘さんと再会できたので、もう登場しないのだとか。

押井の言う監督の勝利条件とは新作を撮り続けられる事。
そのためにはあまり大きな成功は次回作を作る上ではマイナスだとか。
ある意味でビジネスにも通じる所があるかな。

リドリー・スコットを高く評価しているのは納得ですが、意外なのはエメリッヒの評価の高さ、ティム・バートンの評価の低さ。
ジョン・ウーはハリウッドに行くべきでなかった、とか言いたい放題ですが、面白いです。
エリア・カザンについては「赤狩り」、フリッツ・ラングについてはナチスの関係から、映画監督が政治へどう関わるかについての意見も興味深いです。

日本映画では滝田洋二郎監督を高く評価してますね。
あと森田芳光監督も。
押井いわく、森田芳光監督は3本に1本しか当てに行ってないとか。

今回取り上げられる監督たちは以下です。

リドリー・スコット、ジョン・カーペンター、スタンリー・キューブリック、
フランシス・フォード・コッポラ、スティーブン・スピルバーグ、
ジョージ・ルーカス、ロジャー・コーマン、ローランド・エメリッヒ、
ポール・バンホーベン、ティム・バートン、ジョン・ウー、
クエンティン・タランティーノ、ロバート・アルドリッチ、フリッツ・ラング、
ドン・シーゲル、クリント・イーストウッド、サム・ペキンパー、
フランソワ・トリュフォー、フェデリコ・フェリーニ、ロマン・ポランスキー、
オーソン・ウェルズ、滝田洋二郎、阪本順治、石井總互、塚本晋也、周防正行、
森田芳光、相米慎二、若松孝二、岡本喜八、円谷英二、本多猪四郎

毒はきついので読者は選びそうですが、機会があれば読んでみて下さい。
まあ、異論はあるでしょうが、面白いです。

勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉

勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉

  • 作者: 押井 守
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2010/09/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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