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雪月花/書かずにはいられない/愛さずにはいられない [本]

北村薫さんの本を3冊。

北村薫「雪月花-謎解き私小説-」新潮社

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本と本とが響き合い奏でる音を愛でる日々。読書愛あふれる初の私小説。
解決のない疑問は、解毒剤のない毒薬のようなものだ――どうして! なぜ? と謎は深まる。
江戸川乱歩、三島由紀夫、芥川龍之介、山田風太郎、福永武彦……小説、俳句、詩歌に音楽、小沢昭一の随筆も登場。
本を読んではスパークする作家魂。読み手もまた創作者、本読む愉しみを分かち合い、時空をめぐる、日常の冒険。
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最近出た最新作です。私小説とありますがほとんどエッセイ。
本の謎を探求する所はいかにも北村さんらしいです。
文章が見事で北村さんが本の謎を追う過程にぞくぞくします。
北村さんは埼玉の高校の国語教師だったので、こういう国語の授業は楽しそうです。


北村薫「書かずにはいられない」新潮社

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「この一冊に、時の流れの中に浮かんだ、いろいろな思いを閉じ込めました」。
記憶の底の事物や、ふと感じる違和感にも《美しい謎》をみつける作家の日常
に、《ものがたり》誕生の秘密を垣間見る―。独自の読みどころを教えてくれ
る、おすすめ本の書評、装幀の魅力、父の日記、愛猫ゆずとの日々など、1990
年代から2005年までの書評と随筆を収録。《時と人》を結ぶ読書の愉悦を共有
できる、滋味あふれるエッセイ集。
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連続刊行された北村さんのエッセイ集2冊目。1990年代から2005年まで。
これは以前読んでいたのですが、ほとんど覚えていないので楽しく読みました。


北村薫「愛さずにはいられない」新潮社

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〈愛〉+〈言葉〉+〈一瞬=永遠〉=人生の時間忘れ得ぬ声、響く言葉は、いまも
いつもこの胸に――。神保町の古書店に出ていた、長谷川町子の姉妹社の本。
懐かしい揃いの本、七、八十冊には、タイムマシンの窓を覗いたように嬉しい、
解けない謎を解くような喜びがありました――書評や選評のほか、博覧強記な
文学の話題、懐かしい人、忘れ得ぬ場、日常のなかにいつもある謎を愉しむ機
知についてなどを軽妙洒脱に綴る、滋味あふれる一冊。
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「書かずにはいられない」に続くエッセイ集3冊目。
これは読んでいないと思います。見事な文章、一気に読みました。


雪月花: 謎解き私小説

雪月花: 謎解き私小説

  • 作者: 薫, 北村
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/08/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



書かずにはいられない: 北村薫のエッセイ

書かずにはいられない: 北村薫のエッセイ

  • 作者: 北村 薫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/03/28
  • メディア: 単行本



愛さずにいられない: 北村薫のエッセイ

愛さずにいられない: 北村薫のエッセイ

  • 作者: 薫, 北村
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/03/24
  • メディア: 単行本



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モンキー・ビジネス [映画]

「モンキー・ビジネス」をDVDで見ました。

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製薬会社に勤めるバーナビーは社長から若返り薬の開発を急かされていた。
ある時、実験用のチンパンジーが檻から抜け出し、バーナビーの仕草を真似て、手当たり次第に薬品を調合すると冷水器に流してしまう。
それを飲んだバーナビーは突然若返り始めて……。
人気沸騰前のマリリン・モンローがセクシーな子猫的役割で出演しているが、監督も製作陣も、その後彼女が大スターになるとは思いもしなかったという。
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ハワード・ホークス監督のコメディです。
ケーリー・グラントとジンジャー・ロジャース主演ですが、脇役でマリリン・モンローが出演しています。
お話は他愛もないといえばそうですが、ハワード・ホークスのスピーディな演出で楽しく見ました。

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監督 ハワード・ホークス
脚本 ベン・ヘクト、チャールズ・レデラー、I・A・L・ダイアモンド
原案 ハリー・シーガル
音楽 リー・ハーライン
バーナビー・フルトン博士 ケーリー・グラント
エドウィナ・フルトン ジンジャー・ロジャース
オリヴァー・オクスレイ社長 チャールズ・コバーン
ロイス・ローレル マリリン・モンロー
ハンク・エントウィッスル ヒュー・マーロウ
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地平線がぎらぎらっ [映画]

「地平線がぎらぎらっ」見ました。

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藤原審爾の原作を、内田弘三・土居通芳が脚色し、「男の世界だ」の土居通芳が監督したアクションもの。
撮影は「恋愛ズバリ講座」の森田守。
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ジェリー藤尾主演の新東宝のアクション映画です。
小林信彦が異色作として取り上げていたので見てみたいと思っていました。
シネマヴェーラ渋谷で上映されたので見てきました。
刑務所に入ったジェリー藤尾が同房の4人と脱獄します。
その後もグロンサンの宣伝カーで逃亡するなどちょっとブラックコメディの味があり面白かったです。
やはりジェリー藤尾の個性が効いています。主題歌も歌っています。
そこに多々良純、天地茂といったクセ物のわき役が絡むので見ごたえがありました。

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監督 土居通芳
脚色 内田弘三 土居通芳
原作 藤原審爾
ジェリー藤尾 新波(通称マイト)
多々良純 太田(通称カポネ)
天知茂 松田(通称教授)
沖竜次 土屋(通称バーテン)
大辻三郎 大平(通称色キチ)
晴海勇三 海坊主
星輝美 八重ちゃん
万里昌代 睦子
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太陽の王子 ホルスの大冒険 [映画]

「太陽の王子 ホルスの大冒険」見ました。

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製作を宮崎駿と大塚康雄のコンビが手掛け、演出は高畑勲が担当。
完成までに3年の歳月を要したという劇場用アニメーション。
宮崎駿と高畑勲が出会い、日本のアニメ映画に初めて作家性が持ち込まれた記念すべき作品とされる。
病弱な父親と、人里離れた浜辺で暮らしていたホルス。
ある日、ホルスは狼の群れに襲われるが、たまたまそこで昼寝をしていた岩の巨人モーグに助けられる。
そのお礼にモーグが以前から苦しんでいた肩のトゲを抜いてやるが、そのトゲは“太陽の剣”と呼ばれる剣だった。
モーグから太陽の剣を譲り受けたホルスは「その剣を使いこなすことができたなら、おまえは人々から“太陽の王子”と呼ばれて尊敬されるだろう」と告げられる。
やがて父親は「人間の世界に戻れ」と言い残して他界。遺言に従って相棒の小熊とともに旅立ったホルスは、モーグや謎の少女ヒルダの力を借りて、魔王グルンワルドと対決することになるのだが…。
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1968年制作の東映アニメーションです。
スタッフが凄い!高畑勲、大塚康生、宮崎駿、森康二、小田部羊一。黒澤和子さんの名前も。
今見ると動きも荒いし、色彩も少ないですが、作り手の熱気が感じられます。
それもそのはず、高畑さんも、大塚さんも30代、宮崎さんは20代。
制作は大変だった様で遅れに遅れ、止め絵になっている箇所もあります。
当時のアニメファンにはヒルダのキャラクター造形が衝撃を与えたそうです。
丸の内TOEIで上映されたので見てきました。
大きなスクリーンで見ることができて良かったです。

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監督 高畑勲(「演出」名義)
脚本 深沢一夫
作画監督 大塚康生
美術 浦田又治
場面設計・美術設計 宮崎駿
音楽 間宮芳生
ホルス … 大方斐紗子
ヒルダ … 市原悦子、歌:増田睦美
グルンワルド … 平幹二朗
ポトム、フレップ … 堀絢子
マウニ … 水垣洋子
ガンコ爺さん … 東野英治郎
チャハル … 杉山徳子
村長 … 三島雅夫
ドラーゴ … 永田靖
ボルド、モーグ … 横内正
ルサン … 津坂匡章
ピリア … 赤沢亜沙子
ホルスの父、トト … 横森久
コロ … 浅井ゆかり
チロ … 小原乃梨子
若い女 … 阿部百合子
村の女 … 檜よしえ
村人 … 立花一男、神山寛
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旅のつばくろ/特撮秘宝vol.4 [本]

沢木耕太郎「旅のつばくろ」新潮社

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旅のバイブル『深夜特急』で世界を縦横無尽に歩いた沢木耕太郎。
そのはじめての旅は16歳の時、行き先は東北だった。
あの頃のように自由に、気ままに日本を歩いてみたい。
この国を、この土地を、ただ歩きたいから歩いてみようか……。
JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」で好評を博した連載が待望の単行本化!
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沢木耕太郎さんの初の国内旅エッセイです。
初めての東北旅行の思い出から主に北や金沢などの旅が語られます。
脚本を書いて欲しいと言われた事もある高倉健さんと竜飛岬の話、大学での恩師だった長洲一二さんの墓の話なども。
連載がJR関係のせいか列車での旅が多いですね。
沢木さんの練達の文章を心地よく楽しく読みました。


「特撮秘宝vol.4 特集『シン・ゴジラ』」洋泉社MOOK

洋泉社の映画秘宝の別冊の特撮MOOKです。
図書館にあったのでとりあえず特集『シン・ゴジラ』のvol.4を借りてみました。
いや面白いですね。特集も面白いのですが、特撮関連のスタッフや俳優へのインタビューが貴重。
脚本家・伊藤和典さんのインタビューで「トレマーズ」の日本版みたいな企画があったというのは初耳。見てみたい。vol.1から改めて読んでみるかな。


旅のつばくろ 電子オリジナル版

旅のつばくろ 電子オリジナル版

  • 作者: 沢木耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/04/22
  • メディア: Kindle版



別冊映画秘宝 特撮秘宝vol.4 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

別冊映画秘宝 特撮秘宝vol.4 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2016/07/27
  • メディア: ムック



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サリヴァンの旅 [映画]

「サリヴァンの旅」をDVDで見ました。

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ジョン・サリヴァンはコメディ映画の監督として成功を収めていたが、最近自分の仕事に不満を感じ、社会派映画の撮影を熱望し始める。
サリヴァンは現実社会を知るためとして、ホームレスにカムフラージュして旅に出ようとするが、失敗を重ねてなかなかうまく行かない。
ある日、サリヴァンはハリウッドのカフェでブロンドの美女に出会う。彼女はエルンスト・ルビッチの映画に出演する夢に破れて、故郷に帰ろうとしていた。サリヴァンが映画監督だと知らない彼女は彼をホームレスだと思い込み、暖かいコーヒーをご馳走する。
これで意気投合したサリヴァンと彼女は、旅を再開するのだが…。
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プレストン・スタージェス監督の4作目の監督作品。
主役は「パームビーチ・ストーリー」にも出演していたジョエル・マクリー。
ヒロインのヴェロニカ・レイクも魅力的でした。
スピーディーなコメディ演出はさすがですが、お話もいったいこれからどうなるの連続。
そしてラストには意外なコメディ賛歌となり感動的でした。

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監督 プレストン・スタージェス
脚本 プレストン・スタージェス
製作 プレストン・スタージェス、ポール・ジョーンズ
音楽 レオ・シューケン、チャールズ・ブラッドショー
ジョン・サリヴァン:ジョエル・マクリー
美女:ヴェロニカ・レイク
ロバート・ワーウィック
ウィリアム・デマレスト
エリック・ブロア
アーサー・ホイト
チェスター・コンクリン
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ユーカリの木の蔭で/本と幸せ [本]

北村薫さんの本を二冊。

北村薫「ユーカリの木の蔭で」本の雑誌社

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「目黒のサンマ」はフランス語ではどうなるか、鶴八鶴次郎の決して動かせない名セリフとは何か、好奇心と興味のままひろがってゆく本の楽しさがいっぱい!
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北村さんのエッセイ集です。やはり北村さんの文章は素晴らしい。
さくさく読めるので記憶にあまり残らないという感じも。
フランス語の落語の話は面白かったです。


北村薫「本と幸せ」新潮社

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「近況がわかるエッセイ、秘蔵の初創作、高校生のショートショート7篇、自選短篇ベスト12発表、全著作リストも収録。
作家生活30周年記念愛蔵版。本を読む喜びを感じてください。」
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北村さんのバラエティ本です。
エッセイ、高校生時代のショートショートなどなど。
面白かったです。やはり北村さんの文章がいいですね。


ユーカリの木の蔭で

ユーカリの木の蔭で

  • 作者: 薫, 北村
  • 出版社/メーカー: 本の雑誌社
  • 発売日: 2020/05/22
  • メディア: 単行本



本と幸せ

本と幸せ

  • 作者: 薫, 北村
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/09/26
  • メディア: 単行本



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